ソフトバンクは11月2日、次世代電池に向けた3つの新技術を開発したことを発表した。同社は今後も次世代電池の研究/開発を継続し、従来よりも高密度かつ高容量なバッテリー(充電池)の実用化に結び付けたいとしている。
同社は11月3日、「次世代電池」への取り組みを説明するイベントを栃木県宇都宮市の「ソフトバンク次世代電池Lab.(ラボ)」で開催した。この記事では、その模様をお伝えする。
ソフトバンクは2018年から「リチウム空気電池」の開発に取り組んでいる。リチウム空気電池は、大容量バッテリーにおいて現在主流の「リチウムイオン電池」と比べると、理論上のエネルギー密度が数倍に達する。
高密度バッテリーをコンパクトに作れるようになれば、ドローンやハイエンドロボットなど、次世代のIoTデバイスをより実用的に動かせるようになる。電気自動車も、同じ容積でより走行距離を伸ばすことができる。同社の立場であれば、成層圏通信プラットフォーム「HAPS」や次世代の移動通信システム「6G」の実現に向けたキーデバイスの1つともいえる。
ソフトバンクでは社内の体制を強化しつつ、物質・材料研究機構(NIMS)とも協業してリチウム空気電池の実現に向けた研究/開発活動を続けてきた。そして2021年3月、同社はリチウム空気電池を始めとする次世代電池の早期実現を目指して、ソフトバンク次世代電池Lab.を開設することを発表した。
2021年6月、次世代電池Lab.はエスペックの「バッテリー安全認証センター」内に開設された。エスペックは電子機器や工業製品の環境への影響を調べる「環境試験器」において世界有数のシェアを持つ企業で、試験器の開発などを通して培ったノウハウを生かした各種試験の受託でも定評がある。
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