NTTドコモに聞く「エコノミーMVNO」の勝算 収益性や参画のハードルはどう見る?(1/3 ページ)

» 2021年11月30日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

 2020年12月に予告されていたドコモの「エコノミーMVNO」が、ついに始動した。10月からはNTTコミュニケーションズのOCN モバイル ONEが、ドコモショップでの契約に対応。12月にはフリービットグループのトーンモバイルも、「トーンモバイル for docomo」の提供を開始する。エコノミーMVNOは、あくまでドコモとは別会社のMVNOが展開するサービスだが、あたかもドコモのいち料金プランのように契約できるのが特徴。MVNOにとっては、ドコモショップを活用して販売やサポート体制を強化できるのが魅力だ。

 ドコモにとっては低容量のユーザーが他社に流出するのを防げるのがメリットといえる。MVNO回線ではあるが、ドコモは接続料という形で間接的に収益を上げられるうえに、エコノミーMVNOとはdポイントを通じた連携もしているため、ドコモの経済圏の中にとどめておくことができる。大容量を担う「ギガホプレミア」や、中容量に特化した「ahamo」に加え、エコノミーMVNOがそろったことで、料金プランのピースが埋まった格好だ。

エコノミーMVNO ドコモショップで扱う「エコノミーMVNO」がスタート。まずはOCN モバイル ONEとトーンモバイルが加わる

 一方で、他社はサブブランドやオンライン専用ブランドを活用しつつ、低容量の料金プランを自ら展開している。ここに対抗するのがエコノミーMVNOの役割だが、収益性については疑問符もつく。ユーザーから直接料金を支払ってもらえなくなるからだ。参画するMVNOが増えてきた際に、MVNO同士やドコモとの差別化をどうするのかも、気になるところだ。こうした疑問を、ドコモでエコノミーMVNOを担当する営業本部 営業戦略部 モバイル事業戦略担当部長の蓑手康史氏にぶつけた。

蓑手康史 NTTドコモの蓑手康史氏

当初は多少の混乱があったが、反響は大きい

―― 既にOCN モバイル ONEの取り扱いは始まっていますが、実際に始めてみていかがでしたか。

蓑手氏 10月21日に取り扱いを開始しましたが、反響が大きいと感じています。ドコモショップにおいて他社のシステムを使いながら手続きをするので、当初は多少の混乱があり、受付の時間がかかるという声は上がっていましたが、その辺は改善しながら進めています。料金をご説明すると、安いプランがあるということでお乗り換えいただけています。

 一方で、全国的な認知はまだまだこれからです。ドコモでできることと、MVNO各社でできることがありますが、それぞれでプロモーションを考えていきながら、全体を盛り上げていければと考えています。

―― 確かに、テレビCMのような大規模なプロモーションをしている様子がないように見えます。

蓑手氏 11月から地方紙に広告を出したり、ラジオなどでも露出を増やしたりしています。店頭ツールはやりますし、ダイレクトメールも11月下旬からやっていきます。来月(12月)ぐらいには、さらに露出を上げるための仕掛けをしていく予定です。

―― それは、フリービットのサービス開始を待ってからということでしょうか。

蓑手氏 待ってというより、もともと12月に提供予定ということで一緒に準備をしていました。それぞれの準備が整った段階で開始していきます。テレビCMなどは準備に時間がかかるので、そういったタイムスケジュールも織り込みながらですね。先行して地方紙やラジオなどで露出を始めた形です。

シニア層はある程度狙い通りに取れている

―― 安いプランに乗り換えているユーザーがいるというお話でしたが、どういったユーザー層が乗り換えているのでしょうか。

蓑手氏 シニア層に関しては、ある程度狙い通りにいっています。(MVNOは)他社のことなので詳しくは申し上げられませんが、思った以上にビジネスマンの方にご契約いただけていることも分かっています。OCN モバイル ONEは取り扱うプランが幅広いので、店頭でご紹介した際に選んでもらえているのかもしれません。

―― 多いのは、やはりドコモからの移行でしょうか。

蓑手氏 3Gからの乗り換えはそういうご提案(ドコモからの移行)になっていることもあり、そういう場ではOCN モバイル ONEが出てきやすいですね。ただし、全体としてどうなのかという詳細についてはお答えを控えたいと思います。

―― ギガライトとOCN モバイル ONEを比べると、ギガライトの料金的な優位性がありません。その層のユーザーが減ってしまう恐れはないでしょうか。

蓑手氏 影響がないわけではありませんが、「それでもドコモがいい」とおっしゃってくださる方もいます。「はじめてスマホプラン」にするのか、ギガライトをご提案するのかは、お客さまのニーズを聞きながらですね。

エコノミーMVNO エコノミーMVNOの位置付け。ギガライトと料金が被る面もある
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月01日 更新
  1. Google マップの新機能「マップに相談」は“知人に聞く”感覚で使える 「Pixel 11 Pro Fold」などフォルダブルとの相性も抜群 (2026年10月31日)
  2. ダイソーで1100円の「PD対応20Wモバイルバッテリー」を試す 手頃な価格でそこそこ高速にスマホを充電可能 (2026年10月31日)
  3. 「iPhone Duo」は“我慢の連続” 歴代最重254g、Face IDなし……それでも満足できる人の条件が分かった (2026年10月30日)
  4. 「iPad mini(A20 Pro)」は何が進化した? 「iPhone Duo」とはどう違う? スペックや用途を比較する (2026年11月01日)
  5. キャリアともMVNOとも違う独自路線 povoが目指す「パートナー連携2乗」と世界展開の勝算 (2026年10月31日)
  6. スマホの映像をTVやディスプレイに出力すると意外と便利(プレゼンとか特に) (2026年10月31日)
  7. 若者が選ぶ流行語「チャッピー構文」ってなんだ? 「結論から言うね」なAIの口癖、実は人間のせいかもしれない (2026年10月30日)
  8. 楽天モバイル、1100万回線突破の背景に「通信品質向上」とOpensignalが分析 下り速度とカバレッジの課題は残る (2026年10月29日)
  9. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  10. KDDIのユーザー情報が漏えいか ライフネット生命への不正アクセスで判明 (2026年10月30日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー