IIJ(インターネットイニシアティブ)が11月5日、2021年度上期の決算を発表した。売上高は1090.5億円(+7.3%)、営業利益は93億円(+77.6%)で増収増益となった。2021年度通期では売上高が2285億円(+7.3%)、営業利益が220億円(54.4%)に上方修正した。
「IIJmio」で4月から提供している「ギガプラン」では、旧プランから値下げをしてARPUが減少しているため、モバイルサービスの売上は25.6億円の減収となった。しかしネットワークサービスや法人向けサービスが増収しているため、トータルでは73.9億円の増収となった。
2023年度の中期営業利益率は、当初9%超を見込んでいたが、業績が好調であることから、10%超に上方修正する。半導体不足の影響について渡井昭久CFOは「部材の調達で課題はあるが、業績で大きなマイナス要素があるという見立てはしていない」と話した。
好調の背景について勝栄二郎社長は「企業のIT化が進んだこと」をまず挙げる。「全てのものがインターネットにつながり、全てのものがインターネットの上に構築される時代がやっと到来した。それに対応するべく、企業がITシステムを強化している。トラフィックも増え回線を太くしないといけないため、IPサービスやセキュリティサービスも伸びている」(同氏)
モバイルについては法人と個人ともに好調であることを勝氏と渡井氏は強調する。MVNEを除く法人事業の売上は48.4億円に上り、前年比で13.6億円増。2021年9月末時点の回線数は121.8万に達した。ネットワークカメラに加え、決済、車載、GPSトラッカー、デジタルサイネージなどの多様なシーンで使われているという。
個人向けモバイルサービスのIIJmioについて、2020年は純減が続いていたが、ギガプランをリリースしてからは純増に戻しており、2021年9月末時点での契約数は107.2万。同年6月末の105.3万から1.9万の純増となった。ギガプランの契約数は2021年9月末時点で55.6万に達し、うち新規契約数は約30%、残りは旧プランからの移行分となる。
勝氏によると、ギガプラン契約者のうち、8割が音声SIMを選び、同じく8割が2GBか4GBのプランを選んでいるという。さらに、9月からは音声通話料金を30秒あたり22円(税込み)から11円に値下げした。「低容量、しかも品質を保って提供することが受けているのではないか」(同氏)
NTTドコモがMVNOのサービスをドコモショップで扱う「エコノミーMVNO」については、勝氏は「正式な提案は別として、話はうかがっている」と話すが、現時点で参画する予定はないという。勝氏は「2つ問題点がある」と明かす。1つが、ドコモショップで扱うことに対して手数料がかかることで、「量販店より高めと感じている」。2つ目が、dポイントの連携が必須となること。IIJmioではmioIDでユーザーを管理しているが、dポイントを連携するとなると、mioIDとdポイントをひも付ける必要があり、相応の時間がかかることが予想される。「今でも検討中ではあるが、そういうこともあり、当初からは参加しない」(同氏)
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