ドコモが扱う「TONE for iPhone」の狙い 料金は約50%値下げ、課題はAndroid端末石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2021年12月18日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

販路、サポート、iPhone――トーンモバイルがエコノミーMVNOで得られるメリット

 中期経営計画で他社にサービスを提供していくことを発表していたフリービットだが、「見守り技術をMNOに提供したいという願望もあった」(石田氏)という。ドコモからのエコノミーMVNOへの誘いは、そんな思いを抱いていた同社にとって、千載一遇のチャンスだったといえる。エコノミーMVNOは、ドコモショップでの販売にあたって手数料がかかる。dアカウントやdポイントとのシステム連携も必要になり、コストを最小限に抑えながら運営しているMVNOからは、参画が難しいとの声も聞こえてくる。

TONE for iPhone トーンモバイルで磨きをかけてきた見守りサービスを、他社に展開していく計画もあったという

 一方で、石田氏は「いくつかの条件やレギュレーションはあるが、トーンモバイルはターゲットが絞られていて、そもそもポイント(Tポイント)もお支払いしていた。やっていただける内容に対して金額は合理的だとポジティブに捉えている」と語る。合理的な金額とは、どういうことか。それを1枚のグラフで表したのが、以下の写真だ。トーンモバイルがエコノミーMVNOに参画する狙いも、ここにある。

TONE for iPhone ドコモショップが販路に加わることで、取り扱い店舗は20倍以上に急増する。これまで開拓してきた店舗の数が“誤差”に見えるほどだ

 グラフは、トーンモバイルを取り扱う店舗数を表したもの。同社のサービスは、オンラインに加え、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下のTSUTAYAやカメラのキタムラで販売されていたが、店舗数は発表会が開催された12月15日時点で112カ所。MVNOとしてはリアルな販路が多い方だが、日本全国に2300店舗を構えるドコモショップと比べると、大きく見劣りする。エコノミーMVNOに加わることで、その強力な販路を取り込むことができる。拡大の幅は20倍以上。12月22日を境に、トーンモバイルの販売環境が激変すると言っても過言ではないだろう。

 販売だけでなく、サポートの強化も期待できる。特にトーンモバイルの場合、見守りサービスがセットになるため少々セットアップが複雑になる。サービス内容を考えると、ショップでのサポートは不可欠だ。トーンモバイルがMVNOの中では店舗を多く展開していたのもそのためで、ドコモショップで一気に拠点を拡大できるのは大きなメリットになる。ドコモによると、TONEファミリーを店頭で契約した場合、その設定もサポートに含まれるという。

TONE for iPhone ドコモによると、TONEファミリーを店頭で契約した場合、このセットアップもドコモショップでの初期設定に含まれるという

 さらに、ドコモショップならiPhoneを直接販売でき、ワンストップでサービスを提供できる。TONE SIM(for iPhone)はSIMカードの単体販売で、端末は別途入手する必要があった。スマートフォンに詳しいユーザーには簡単かもしれないが、端末とSIMカードをそれぞれ用意して、セットアップした上で子どもに渡すのはどうしても煩雑になる。iPhoneは、「いつでもカエドキプログラム」で購入できるため、買い替えのハードルも低くなる。(正規の)iPhoneを扱えない弱点を解消できるのは、エコノミーMVNOに参加するもう1つの動機づけになる。

TONE for iPhone ドコモの販売するiPhoneを同時に購入できるようになり、ワンストップのサービスが実現する

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月29日 更新
  1. ティム・クックCEOが「もはや限界」と値上げに言及――すでにAndroidでは値上げラッシュが始まる (2026年06月28日)
  2. 「モラルが欠如している」──LINE安否確認で“悪ふざけ”、SNSで批判の的に (2026年06月26日)
  3. スマホの「SIM組み合わせ」を3カ月で3回も変えた話 楽天モバイル→日本通信→Y!mobileからの移行先を思案中 (2026年06月29日)
  4. 松屋の券売機が「思いのほか使いやすかった」 それでもネットで不評なのはなぜ? (2026年06月29日)
  5. ダイソーで770円の「備えラジオ」は“備える”以上に”ノスタルジック”だった件 目的に徹したシンプルさが懐かしさを呼ぶ (2026年06月27日)
  6. ソニー「aiboはやめません」──“次の開発”も明かす オーナーに「安心してください」と呼びかけ (2026年06月27日)
  7. NHKはなぜ「スクランブル化」しないのか? 「公共放送」という位置付けが足かせ? (2026年06月27日)
  8. ソフトバンクの5G通信が速くなる「Fast Access」を試す 非対応回線と有意な差も、見えてきた“次の課題” (2026年06月27日)
  9. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  10. 「日本は6G周波数の議論すら始まっていない」 クアルコムが抱く危機感と、AI時代の次世代通信 (2026年06月26日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー