ドコモ、エアバスなど3社とHAPSの実用化に向けた研究開発を推進

» 2022年01月17日 17時00分 公開
[作倉瑞歩ITmedia]

 NTTドコモは1月14日、エアバス、NTT、スカパーJSATと成層圏を飛行する高高度プラットフォーム(High Altitude Platform Station、HAPS)の実用化に向けた研究開発や実証実験を行うための協力体制構築を推進するための覚書を締結した。

 覚書はエアバスのHAPS「Zephyr」(ゼファー)とNTT、ドコモ、スカパーJSATの通信ネットワークを組み合わせ、HAPSの接続性と通信システムの有用性を発見し、技術や活用領域の開発に向けて連携するもの。5Gの高度化や「6G」の実用化に向けて、空、海、宇宙などを含む場所の通信カバー率を拡張する。

ドコモHAPS HAPSの適用モデル。さまざまな地域に集中して通信を行える

 HAPSによるネットワーク構築は空と海の通信を容易にカバーできることから、災害対策やイベント会場などの人が密集する場所での通信容量の確保や、建設現場での重機の遠隔操作などに有効だという。通信カバー率の拡張のため、HAPSに加え、静止軌道衛星や低軌道衛星を用いた地上以外でのネットワーク構築(NTN)技術が期待されているとしている。

 4社は衛星やHAPSなどNTN技術を用いた通信サービスを「宇宙RAN」(Radio Access Network)と呼び、災害対策だけでなく離島やへき地の通信エリア化、飛行機や船舶などの通信環境の改善などが可能だとしている。

ドコモHAPS 宇宙RAN構想。宇宙空間にセンシングデータやデータセンターを配置し、情報収集から価値化までを行う
ドコモHAPS 宇宙RANのシステム構成

 主な研究開発の対象は、地上の移動型基地局との接続や固定回線などへのHAPS適用や、HAPSを利用した通信システムにおけるさまざまな周波数帯での通信性能の評価、HAPSと衛星、地上基地局との連携に向けた技術の検討。NTN技術によるネットワーク構築の実証実験も行う。

 4社は今後、HAPSによる成層圏からの通信を行う技術の開発に加え、機体開発や運用に向けた標準化、制度化への働きかけ、商用化に向けたビジネスモデルの検討を行う。

ドコモHAPS エアバスのZephyr。機体先端に基地局設備を搭載し、翼長は25m

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