半開きの状態にしたまま固定できるのは、フォルダブルスマートフォンならではのメリットだ。Galaxy Z Fold3 5Gでは、これを「フレックスモード」と呼ぶ。例えば、カメラアプリを開いた状態で半開きにすると、折り目を境に画面が分割され、上半分がプレビュー、下半分がシャッターボタンやモード切り替えなどの操作パネルになる。撮影した写真が比較的大きなサイズで操作パネルの横に表示されるのも、このモードの特徴だ。
本体を固定したまま、写真を次々と撮っていけるため、発表会などのプレゼンを撮るときに活躍する。一般的なビジネスマンでも、講演会や社内会議などで利用することができそうだ。本体を置いたまま撮影できるため、手振れとも無縁になる。撮影時には、カバーディスプレイ側が下になることもあり、置く場所を選ばないと傷が付く心配はあるが、三脚に置いたような効果を手軽に得られるため、使い勝手がいい。
フレックスモードは、動画視聴やビデオ会議などのときにも活躍する。YouTubeやZoomといった対応アプリを開くと、上半分が映像、下半分が操作用のボタンになり、本体を机やテーブルの上に置いたまま利用できる。スマートフォン用のスタンドがあれば同様のことはできるが、荷物が増えてしまううえに、常時持ち運んでいるとは限らない。端末単体で本体を置いて利用できるのは、フォルダブルスマートフォンの価値の1つだ。
一方で、フレックスモードに対応したアプリが依然として少ないのは、Galaxy Z Fold3 5Gに限らず、フォルダブルスマートフォン全体の課題かもしれない。同じビデオ会議アプリでも、Zoomは対応しているが、GoogleのMeetやMicrosoftのTeamsにはフレックスモード専用の画面が用意されていない。前者はGalaxy Z Fold3 5Gにも採用されるAndroidの開発を主導する会社、後者は2画面スマートフォンの「Surface Duo 2」を販売している会社だけに、フォルダブルスマートフォンへの最適化はぜひ進めてもらいたい。
立ちながら操作したいようなときには、カバーディスプレイを利用する。ディスプレイはかなり縦に長いが、横幅は67mmに抑えられているため、片手でも使い勝手がいい。一般的なスマートフォンより厚みがある点を除けば、操作感が大きく変わるようなことはない。ただし、細長すぎるゆえに、QWERTYキーがかなり狭くなってしまい、アルファベットが打ちづらい。
また、アプリやサイトによっては、Galaxy Z Fold3 5Gをタブレットと認識してしまうためか、スマートフォン用の画面が出ないこともある。細長すぎるためか、アプリによっては一部レイアウトが崩れることも確認している。画面比率が特殊なだけに、こうしたトラブルが起こりやすいことは念頭に置いておいた方がいいだろう。
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