povoとIIJmioのそれぞれの料金プランが理解できたところで、合計のランニングコストを説明します。
今回はpovoとのデュアルSIM活用なので、IIJmioは「音声通話が利用できないデータ通信専用SIMカード」として、最安の音声なしeSIM契約で2GBを選択します。
povo2.0とIIJmioギガプランの組み合わせにより、通話はpovoの回線で受け、データ通信をIIJmioのeSIMで利用すれば、ワンコインの月額440円で2回線、2GBまでのデータ通信を利用できるというわけです。povo2.0のデータトッピングでは、390円で1GBを追加できますが、使用期限は7日です。少量でも1カ月間通信をしたければ、ギガプランの月額440円で2GBはお得感があります。
もし2GBではデータ容量が足りない場合は、IIJmioでデータ容量を増やすか、一時的ならpovo2.0で24時間330円使い放題のトッピングを申し込めば対処できます。
ネットワークについて、IIJmioはドコモの5G/4G(LTE)/3Gの周波数を利用しています。povoはauと同じネットワークやエリアを使用しているMNOなので、現在auが問題なく使えている人は、通信面の心配はいりません。実際にpovoとIIJmioを使用している人から電波状況などを聞くと、IIJmioに関しては混み合う昼の時間は多少つながりが悪くなることもあるとのことなので、留意しておきましょう。
今回、povoとIIJmioの2回線を使う方法を紹介しましたが、「デュアルSIM」に対応したスマートフォンなら、1台で2回線を運用できます。デュアルSIMに対応したスマホは、2つの回線で同時に待ち受けることができるので、片方のSIMで通話をしながら、もう片方のSIMでデータ通信を利用できます。
2枚のSIMカードが挿入できるSIMスロットがある場合や、1台のスマホで物理SIMとeSIMを利用できる場合がありますが、最近は後者の物理SIM+eSIMの組み合わせが増加傾向にあります。
デュアルSIM対応スマホの代表格がiPhoneです。iPhoneの場合、iPhone XS/XR以降のモデルが物理SIM+eSIMを利用できます。Androidでも、オープンマーケット向けモデルを中心にデュアルSIM対応機が増えています。
このコロナ禍でテレワーク需要や室内で過ごす人が多くなり、インターネットの通信容量もWi-Fiを使用すればそれほど必要ではない方も増えてきました。この機会に携帯代金の見直しをし、今回ようなデュアルSIMを使った方法で快適で安い料金プランに変更してみてはいかがでしょうか?
藤木あずさ
大手から格安までさまざまな通信キャリアを扱うモバイルショップ「TOP1」やドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルなどのキャリアショップを代理運営する「株式会社D-POPS」に2010年に入社。ソフトバンクショップの現場で10年販売に従事し、現在はコンテンツマーケティング部署に所属。現場で得た知識や現場の声を基に「複雑で分かりにくいといわれるモバイル業界の情報を、誰が読んでも分かりやすく」をモットーに記事の執筆にあたっている。
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