新体制で再出発の楽天モバイル 矢澤新社長は「国内ナンバーワンキャリアを目指す」と宣言(2/2 ページ)

» 2022年02月25日 22時41分 公開
[石井徹ITmedia]
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5G化は進められるのか

 楽天モバイルの国内事業においては、初期の目標としていた「4G LTEでの人口カバー率96%」を達成した。とはいえ、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社は4G LTEでの人口カバー率99.9%を達成している。先行する3キャリアとネットワーク展開で競うには、まだ時間がかかるようだ。

 また、5G網の展開では、楽天モバイルは先発キャリアに大きな後れを取っている。ソフトバンクは2022年2月に5Gの基地局数が2万3000局を超えたと発表。KDDI(au)は2022年度の早期に5Gの人口カバー率90%を達成する見込みとしている。

 それに対して、楽天モバイルは4G LTEでのエリア拡充を優先してきたことから、5Gの基地局展開では出遅れている。同社が公開している最新状況においては、2021年9月時点での5G基地局は2000局にとどまっている。

楽天モバイル 継続的な通信サービスの品質向上は今後の課題だ

 楽天モバイルの携帯ネットワークは“完全仮想化”のアプローチをとっており、当初から5G化を見据えた設計を採用している。既存基地局を5Gする場合は5G用のアンテナを設置するだけの追加工事で済むため、基地局展開にかかる時間は他社より短縮できる方式となっている。

 しかし、実際には4G LTE用に確保した基地局用地で5G基地局を展開する場合、電波干渉などの影響を改めて計算し、アンテナ配置を工夫する必要がある。また、昨今では世界的な半導体不足の影響を受けて、5G基地局の展開に必要な機材が十分に用意できない状況にあるという。こうした事情もあり、楽天モバイルの5G化の進展は思わしくないようだ。

 また、ユーザー数の拡大が進むと、周波数利用が逼迫(ひっぱく)し、安定した通信環境の提供が困難になる可能性もある。携帯電話に適した周波数帯は既存の3社が大部分を割り当てられており、今後のユーザー拡大に影響する可能性もある。楽天モバイルは総務省に対し、「プラチナバンドの再割り当て」を働きかけており、帯域不足への危機感もあるようだ。

 楽天モバイルは米AST社への投資を通じて、2030年までに衛星を活用した“宇宙からのエリア化”の計画を立てるなど、ネットワーク展開でも意欲的な計画を有している。アミン新CEOと矢澤新社長の両輪体制が進む道のりは、まだ長い。

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