NTTドコモが2022年6月から月額4950円で100GBのデータ通信を利用できる「ahamo大盛り」を提供する。ahamo大盛りはそれ自体が料金プランというわけではなく、月額2970円で20GBのahamo基本プランに、月額1980円で80GBの「大盛りオプション」を追加したものとなる。
100GBもの容量があれば、固定回線のように使うことができるという人もいるだろう。そこで、各社が提供している無制限や大容量のプランと比べて、ahamo大盛りがどれだけお得なのかをチェックした。
まずはドコモがメインブランドで提供している「5Gギガホ プレミア」と比べてみよう。こちらは割引適用前の料金は月額7315円でahamo大盛りよりも2000円以上高いが、「みんなドコモ割」「ドコモ光セット割」「dカードお支払割」を全て適用すると2387円が割り引かれて4928円となり、ahamo大盛りよりも安くなる(みんなドコモ割は家族で3回線以上使っている場合)。
家族がドコモユーザーで固定回線にドコモ光を使っている人なら、5Gギガホ プレミアを選んだ方がいいだろう。一方、月のデータ通信が100GB以内に収まり、単身で固定回線を利用していない人ならahamo大盛りの方がお得だ。
もう1つ、ahamo大盛りには5分かけ放題が基本料金に含まれているが、5Gギガホ プレミアでは5分かけ放題は月額770円のオプションとなっている。短時間の通話が多い人にもahamoは向いている。
auの「使い放題MAX 5G/4G」とソフトバンクの「メリハリ無制限」も、料金体系は5Gギガホ プレミアと似ており、割引前料金は7238円と高いが、家族割引や固定回線のセット割を加味すると、月額4928円でahamo大盛りより安くなる。また、5分かけ放題は880円のオプションとなっている。
一方、テザリングの利用データ容量について、ahamoや5Gギガホ プレミアは制限していないが、使い放題MAX 5G/4Gとメリハリ無制限は30GBまでに制限されており、30GBを超えると128kbpsに速度が低下する。一方、ahamo大盛りは100GBを超えても1Mbpsで利用できる。在宅勤務のPCやWi-Fiタブレットで使うのならahamo大盛りの方が向いているといえる。
ahamoでは海外ローミングを20GBの月間データ容量内で利用できることも特筆すべき点だ。3キャリアの海外ローミングサービスは24時間単位などで別途料金がかかるので、この点もahamoの方が優れている。なお、ahamo大盛りオプション契約の場合も海外データローミングは20GBまでで変わらない。
【訂正:2022年4月23日9時45分 ahamoの「かけ放題オプション」が抜けていたため、表に追記いたしました。おわびして訂正いたします。】
ahamo大盛りの大きなライバルになりそうなのが、楽天モバイルだ。「Rakuten UN-LIMIT VI」では1GBまでは0円、3GBまでは月額1078円、20GBまでは月額2178円、20GB超過後も3278円で使い放題となる。
ローミングしているKDDI回線(パートナー回線)は5GBを超えると通信速度が1Mbpsに制限されるが、楽天回線ならその制約は受けない。Rakuten UN-LIMIT VIの3278円の方がahamo大盛りよりも1672円安く、100GB以上データ通信を利用するヘビーユーザーにも、楽天モバイルの無制限はありがたい。Rakuten UN-LIMIT VIは段階制プランのため、20GB以内に収まる人は、さらに安く済む。
通話については、専用アプリ「Rakuten Link」を利用すれば、楽天モバイルやそれ以外のユーザーとも無料で通話できるが、標準の電話アプリで通話定額を利用する場合、月額1100円の「10分(標準)通話かけ放題」を利用する必要がある。
料金とデータ容量ともに、楽天モバイルが圧倒するが、それは「快適にデータ通信を利用できれば」という前提があってこそ。ahamoは5Gにも対応しており、5Gの人口カバー率2023年3月末までに70%に、既存周波数も活用して2024年3月までにカバー率90%を目指す。楽天モバイルの4Gの人口カバー率は96%を超えているが、5Gのカバー率は公表しておらず、エリア構築で後れを取っている。
取りあえず楽天モバイルを契約して、居住エリアや行動範囲でしっかり使えるようなら、楽天モバイルに一本化するのが有効だろう。
ちなみに海外ローミングについて、楽天モバイルは2GBまでは無料だが、以降は1GBあたり500円(不課税)のチャージ料金がかかるので、海外でのお得度はahamoが勝る。
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