楽天モバイルの0円終了でahamo、povo、LINEMOが勝利宣言?ふぉーんなハナシ

» 2022年05月16日 20時19分 公開
[田中聡ITmedia]

 楽天モバイルが5月13日に発表した新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」は、業界に大きな衝撃を与えました。既報の通り、7月1日から提供するこのプランでは、Rakuten UN-LIMIT VIで提供していた「1GB以下なら月額0円」を撤廃し、3GBまでは一律で月額1078円(税込み、以下同)とします。

楽天モバイル 月額0円がなくなる「Rakuten UN-LIMIT VII」

 この発表を受けて色めきだったのが、ahamo、povo、LINEMOの3ブランド。それぞれ、ドコモ、au、ソフトバンクが提供しているオンライン専用ブランドです。3ブランドのTwitter公式アカウントでは、自社サービスのアピール合戦が繰り広げられています。

 まず名乗りを上げたのがpovo。5月13日16時57分に「ご唱和ください。そこはpovo~♪」とツイート。「そこはpovo〜」は広瀬アリスさんが出演しているCMでおなじみのフレーズ。「0円で回線を維持できない? そこはpovo〜」とでも言いたげです。povo2.0は基本料金が月額0円で、データ通信はトッピングで購入するスタイルを取っています。7月以降、月額0円で運用できるという優位性はpovo2.0だけのものになります。

povo 180日以内にトッピングを購入するか660円を超える課金があれば、月額0円で運用できる「povo2.0」

 povoの公式アカウントは、翌14日0時に「大事なことなのでもう一度言います。良いですか、落ち着いて聞いて下さい。#povo は基本料0円のスマホプランです」とツイートし、あらためて0円維持できることをアピールしています。14日以降、povoへの申し込みが殺到しており、povoにとってはうれしい誤算が続いているといえます。

 続いて、13日17時45分にLINEMOが「モンモモ、ラインモ♪ ずーーーっと990円 ほんとに、ほんとだよ!」とツイート。CM出演している本田翼さんの声が脳内で再生されます。「0円をやめた会社があるけど、LINEMOはずーっと990円だよ」とでも言いたげです。LINEMOのミニプランは3GBで月額990円なので、楽天モバイルの1078円よりもわずかながらお得です。小容量帯ではLINEMOに逆転を許す結果になりました。

LINEMO 3GBのミニプランは月額990円でずっと利用できることをアピールするLINEMO

 そして、13日18時5分に、ahamoが「ahamoしか勝たん」と一言だけツイート。余計なことは言わない。ナンバーワンは俺たちだ、という自負のようなものが伝わってきます。ahamoは月額0円もやっていなければ、小容量帯のプランもやっていません。月額100GBまで使える「ahamo大盛り」を6月から展開する予定で、むしろ大容量帯で勝負を仕掛けています。

 ベースのahamo(20GB+5分かけ放題)は月額2970円で楽天モバイルの3278円(20GB以上〜無制限)よりも安いですが、ahamo大盛りはこれに月額1980円(80GB)が加算されて、合計で月額4950円になり、楽天モバイルより1672円高くなります。

ahamo ahamo大盛りは月額4950円で楽天モバイルよりも高いが、通信品質ではドコモに一日の長がある

 楽天モバイルは100GBでも200GBでも月額3278円は変わらないことをアピールしていますが、今回0円を撤廃したことで、無制限の料金もいずれ値上げするのではないか、とみる向きもあります。ahamoのツイートは、これを見越してのこと……と考えるのは邪推でしょうか。もちろん、人口カバー率や通信品質ではまだドコモがリードしているという現実もあります。「ahamoしか勝たん」に込められた意図を読み解いてみるのも面白そうです。

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