「ahamo小盛りは作らない」「OCN モバイル ONEは統合しない」 ドコモ井伊社長が断言する理由(2/3 ページ)

» 2022年06月17日 13時25分 公開
[田中聡ITmedia]
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自前で小容量プランを提供することは考えていない

―― エコノミーMVNOも好調とのことですけど、OCN モバイル ONEとトーンモバイルは両方増えていますか?

井伊氏 増えていますね。どちらかというとOCN モバイル ONEが増えています。低価格で売っているのはOCN モバイル ONEなので。

―― 500MBまで550円のプランですね。一方で、ドコモとahamoは、ともに20GB以上の中容量〜大容量が中心ですが、ドコモ自身が安価な小容量帯のプランを提供することは検討していないのですよね。

井伊氏 まあ、今のところそのつもりでいますけどね。MVNOと共存したいというのが当社の思いですし、NTTレゾナントがOCN モバイル ONEを出します。MVNOというカテゴリーは、ああいう低価格のところで競争が起きているので、そこを自前でやることは考えていないです。

―― キャンペーン込みで0円を訴求しているところもありますが、エコノミーMVNOでそれらに対抗する考えはありますか?

井伊氏 それは考えていないですね。結局、その0円の期間が終わったら、何かが起きるんだろうなと思っていて、この0円競争の無限ループに入ってもしょうがないと思っているので、やっていないです。

 どちらかというと、価格弾性で動くお客さんよりも、ドコモだから入っているというロイヤルカスタマーを、私たちは増やしたいと思っていて。あんまり価格競争にのめり込むお金があるなら、「もっと5Gアンテナに投資をしてよ」「つながりやすくしてよ」というのがロイヤルカスタマーのご意見だと思っています。キャンペーンに原資を突っ込む方向性は、われわれにはないかなと。

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100円や200円を値下げしてもユーザーは動かない

―― 長く使ってもらうための工夫は、どんなことが考えられますか。

井伊氏 基本的にはサポートですよ。困ったときや相談したいとき、あるいはプランを変えたいときや端末を買いたいときなど、ある周期で起きるニーズに対して、適切なアドバイスや相談に乗ってくれるかどうか。それはドコモショップやコールセンターがその役目を担えば良いと思っています。

 単純な物売りじゃなくて、コンシェルジュという機能を果たしてほしいと思っている。そうすると、ドコモだから安心、ドコモだから困らないということが、ロイヤルカスタマーにつながると思っているんですよ。料金でプランを変更させるよりは、安心感や信頼感を作らないとなと思っています。

―― 2021年度の解約率が前年比で上がっているのは、流動性が上がっているからでしょうか。

井伊氏 おっしゃる通りだと思います。国がそういう政策を打ち、違約金や2年縛りをやめるとか、キャリアチェンジしやすい政策に動いているので、それがそのまま結果に出ていて、ポートアウトやポートインの競争になっていると思います。

―― やみくもに料金を値下げしても、解約率は変わらない……。

井伊氏 かもしれませんね。料金もそんなに極端に違うわけではなく、同じ水準の競争なので。0円は出色で、他になかったわけですが、それがなくなったので、価格はそんなに変わらないですよ。

―― 他社さんに話を聞いても、100円、200円値下げしてもあまり動かないだろうとおっしゃっていました。

井伊氏 動かないと思いますよ。利益を減らして無限にやっても、結局、何のためにこの事業をやっているのか、となる。収益を上げるための事業が、結局は上がらないことになるので。

―― エコノミーMVNOですが、他に加わりそうなところはありますか?

井伊氏 商談は続いているんですけどね。dポイントを一緒にやることが大きな提供条件になっているので、ポイントプログラムをある程度受け入れてもらえるかどうかの判断になると思います。あとは、ドコモショップというチャネルでご提供することも判断されているのかなと。

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