―― 7月からNTTレゾナントが子会社となり、OCN モバイル ONEがNTTレゾナントに移管されますが、OCN モバイル ONEの事業をドコモに統合する可能性もあるのでしょうか。
井伊氏 それはない。あくまでMVNOとしてのレゾナントの事業なので。NTTコミュニケーションズが法人に特化するので、レゾナントをドコモに持ってきて、通信事業としてドコモがやるけれど、あくまでMVNO事業としてやるということです。取り込む話はないです。
―― 他社はY!mobileやUQ mobileが好調ですが、OCN モバイル ONEを、そこに並ぶ存在にするつもりはないと。
井伊氏 マーケティング的には並んでほしいですけど、サブブランドにするつもりはない。今のところね。でも、変えなきゃいけない状況になったら変えますよ。三層構造のエコノミーというカテゴリーは、MVNOと共存するものなので、そのやり方を変える気はないです。われわれがMVNOさんに回線を提供しておきながら、そこに自分が入り込んでケンカをするのは矛盾している。MVNOにはうちの回線を売ってもらっているので、そこにキャリアが出てくると、ややこしいなと。
―― OCN モバイル ONEのMVNOをやめて、ドコモさんが自ら回線ごと提供することも……。
井伊氏 そうすると、「回線設備を持っているキャリア」対「持っていないMVNO」が同じフィールドで戦うことになるので、それは立場上やりたくないですね。
―― MVNOもパートナーであると。
井伊氏 というか、もともと総務省が、MVNOの事業を促進するという目的で進めているので。そこにドコモが殴り込んでいくのは、MVNOをつぶしにいくのか? という議論になるので、矛盾してしまうんですよね。巨人はそんなところに出てくるなと思いますけどね。
―― ahamoで小容量プランを提供しないのも、そこが関係している。
井伊氏 ahamoはターゲットが明確で、20〜30代の中大容量を使う人を狙った商品なので。小容量はahamoの対象じゃないんですよ。そこをゴチャゴチャにして、ahamoで下から上までやることは望んでいない。大盛りは作るけれど、小盛りは作らない。povoさんやLINEMOさんは、そこを作られましたが、それは各社の商材のコンセプトによるんですよ。
20〜30代の顧客が、UQ mobileやY!mobileにけっこう取られていて、そこをどうやって取り返すのかという戦略の中でahamoが生まれたので。20代〜30代をターゲットの中心にしないと意味がなかったんですよ。だから分かりやすいワンプラン、ワンコンセプトで、結果的に20代〜30代を取り戻せた――というストーリーで戦略的にやっています。
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