今、ハイエンドスマホの価格が高騰している理由 約20万円は許容できる?(2/3 ページ)

» 2022年06月29日 10時30分 公開
[はやぽんITmedia]
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世界的に見ても進む、ハイエンド端末のプレミアム化

 近年のスマートフォンメーカー各社は、ハイエンドよりも上の「プレミアムモデル」と呼ばれる部分に注力している。価格帯的には約15万円前後の設定で、今までのハイエンドスマートフォンよりも数万円高いものとなるが、スペックには一切妥協のない機種としてここ数年展開されている。

 草分け的存在としてAppleのiPhone Xがあり、この機種の登場以降10万円以上の価格設定のプレミアムモデルのスマートフォンが増えた印象だ。

iPhone X 発売された2017年当時は、一括価格が11万円〜と高価だった「iPhone X」

 プレミアムモデルは現在のiPhoneではPro Maxのポジション、GalaxyではUltraと名がつくポジションが当たる。このようなスマートフォンは各シリーズの最上位に位置するポジションで、一部機能はオーバースペックなものを採用しながらも、メーカーの考える魅力的な先端機能を多く備えている。この流れは中国メーカーにも波及しており、Huawei がPro+のポジションを展開して以降、各社でプレミアムモデルが毎年展開されている。

Galaxy S22 Ultra Galaxy S22 Ultraは100倍望遠も可能な望遠レンズに格納式のスライタスペンを採用し、同社の最上位ともいえるポジションだ

 近年ではこのプレミアムモデルに新しいジャンルの折りたたみスマホも加わっており、Galaxy Z Foldシリーズを皮切りに中国メーカーが各社追従している状態だ。ほぼ全ての機種が20万円以上の価格設定となっており、現在のプレミアムモデルのはしりともいえるものだ。

折りたたみスマホ Galaxy Z Fold3 5GやGalaxy Z Flip3 5Gのような折りたたみスマホも高価な部類だ

 2021年にドコモとauから発売された「Galaxy Z Fold3 5G」の価格は20万円を超えており、Galaxy Z Flip3 5Gは約15万円だった。手軽に購入できる商品とはいえないが、一般的なスマートフォンにはない機構を採用していることもあり、この価格にもある程度の納得感はあった。

残価型プランの登場でキャリアモデルの一括価格が高騰

 キャリアの施策についても注目したい。多くのユーザーがスマートフォンを購入する手段として、大手携帯キャリアで購入することが多い。そのため、各キャリアが展開する価格が注目されている。

 XperiaやGalaxyは海外モデルに比べ、国内キャリアモデルは常に値段が高めだという指摘がある。これは日本独自バンドへの対応、おサイフケータイへの対応、各種日本語対応化などが挙げられる。

 日本におけるスマートフォンの価格が高騰したきっかけも、やはりiPhone Xの存在といえる。一括価格で14万クラスのスマートフォンが入ってくると、大手キャリアも2年縛りを前提とした仕組みを見直さねばならなくなったのだ。

 この頃はApple StoreにてiPhoneが購入できるようになっていたため、ストア版に比べて同じ仕様のキャリア版はなぜあんなに高価なのか? と疑問を持つ方もいたはずだ。一方、キャリアは「月々サポート」といった、回線契約を前提とした割引を行っていた。当時の各社負担額はiPhone X 256GBモデルで実質8万円前後となったが、それでも月負担額は高価なので、ソフトバンクのように48分割プランを設けるキャリアも現れた。

 加えて、総務省の規制が大きく価格にも影響してくる。特に端末の値引き規制と、プラン料金の是正化、2年縛りの禁止などで、今までプラン料金から回収できた端末割引料金を満足に回収できない状態になってしまった。

  2019年頃からキャリア各社は新しいスマートフォンの利用方法を提案している。「スマホおかえしプログラム」などと呼ばれるもので、端末を一定期間利用して返却すると、端末の分割金額の一部を支払い不要とする仕組みのものとなる。この方法なら10万円超えの価格設定の端末でも、実質5万〜7万円程度で利用できる。特にソフトバンクでは、このプログラムを前提とした価格設定にしており、iPhoneをはじめとして一括購入価格がドコモやauに比べて数万円高い端末も存在した。

 特に2020年の5G初年度はインフラ投資の回収も含めてなのか、全般的に端末価格が向上し、ハイエンド端末においてはほぼ全て10万円以上の価格設定となった。このような状態でありながらも、前述のプログラムを使用すれば、従来の月サポを利用した料金とさほど変わらない形で利用できる。

 ここに世界的なスマートフォンのプレミアム化の波が重なり、本体の製造コストが高騰してしまった。加えて日本向けのローカライズ、前述にあるようなキャリアの販売事情が重なることで価格面は数万円単位で向上したというのが現状だ。現在、大手キャリアが取り扱うiPhone 13 Pro Max(256GB)、Galaxy S22 Ultra、Xperia 1 IV、AQUOS R7(価格はドコモのみ発表)は全て18万円以上の価格設定となっている。

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