+Styleはソフトバンクの新事業としてスタートしたスマートデバイスブランドで、2019年から自社で企画したスマート家電の販売を開始した。オリジナル製品はLED電球、スマートリモコン、スマート扇風機、スマートコーヒーメーカーなど2022年7月現在で27製品を数える。
+Style事業の売上高は非公表としているが、「倍々ゲームとまではいかないが、順調に推移している」(近藤氏)という。
+Style販売チャネルは当初は自社製品サイトを中心に展開していたが、現在はAmazon.co.jpでの販売が製品出荷の約半数を占めており、PayPayモールなどのオンラインストアでの販売も強化している。
実店舗では全国で約10店舗のホームセンターでの販売している。「米国ではDIY好きなユーザーがホームセンターでスマート家電を購入することが多い」(近藤氏)といい、広い展示フロアを取って実際に試せるような場所を中心に試験的に販売を行っているという。
スマート家電は現状、一部のITリテラシーが高いユーザー層が利用しているような状況だが、+Styleは今後、幅広いユーザー層に訴求していく方針を示した。近藤氏が普及のカギとみるのが「接続設定の簡単さ」だ。
+Styleの調査では、スマート家電を導入したことが無いユーザーの多くが、「接続や設定が難しそう」といったイメージを抱いており、設定手順を簡略化することで、より多くのユーザーに受け入れられる可能性があるという。
使い始めをスムーズにする取り組みの1つとして導入されたのが、Amazonの「簡単セットアップ」だ。発表会ではアマゾンジャパンからAlexa事業を担当する澤田大輔氏が登壇し、Alexa製品の現状を紹介した。
Amazon Alexaは、スマートホーム製品は世界で14万製品が発売され、2億台が稼働する巨大プラットフォームとなっている。Amazonではたくさんの機器をシンプルに操作できるように、スマートホーム機器向けの2つのプログラムを実施しているという。
1つは「Works with Alexa」の認定プログラムで、これは「アレクサ、テレビのチャンネルを変えて」といった、Alexaによる音声コマンドを共通化するためのプログラムだ。そしてもう1つが「簡単セットアップ」で、多数のスマートホーム機器を登録する手順を大幅に簡略化する試みとなっている。
+StyleではAmazon AlexaとGoogle アシスタントという2つの音声アシスタントに対応している。今回はAmazonと連携する簡単セットアップの仕組みが紹介された。Googleとの連携について近藤氏は「今後同様の取り組みができる機会があれば、ぜひ対応していきたい」と言及した。
また、スマートホームではGoogle、Amazon、Appleなどが参画するMatterという標準規格の策定が進められている。現在はスマートホームメーカーや音声アシスタントごとに異なっている接続手順を共通化することで、より幅広いデバイス、音声アシスタントの組み合わせに対応させようという試みだ。
近藤氏は「Matterは当社としても注目しており、いろいろな情報を収集している」とコメントした。ただし、Matterは初期段階、スマート電球など限られた種類の製品のみに対応しているため、+Styleの全製品に導入できるようにはならない見込みだ。近藤氏は「Matterの方たちが対応を増やしてもらえれば、より対応しやすくなる」と期待を示した。
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