SIM内蔵の大容量ポータブル電源「SuperBase Pro」がZENDUREから アプリで位置確認も

» 2022年07月22日 11時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
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 モバイルバッテリーなどを手掛けるZENDURE(ゼンデュア)の日本法人、ゼンデュア・ジャパンはスーツケースのように持ち運べるキャスター、ハンドル付きポータブル電源「SuperBase Proシリーズ」の販売を日本で7月22日より順次開始する。

ZENDURE SuperBase Pro ポータブルバッテリー ZENDUREのポータブル電源「SuperBase Proシリーズ」
ZENDURE SuperBase Pro ポータブルバッテリー キャスターとハンドルが付いているので持ち運べる

 ZENDURE(ゼンデュア)は米カリフォルニアに本社を置く充電機器メーカー。ZENDUREには世界中を旅する人々の電力不足を解決したいという思いと、ZEN(禅、平静)とDURE(耐久)という意味が込められており、ZENDURE製品は世界100以上の国と地域で販売されている。

 モバイルバッテリーを含めたZENDURE製品の国内販売が始まったのは2020年6月。大手家電量販店、雑貨店などが取り扱う他、これまでに大学や企業などに数千台を納入した実績を持つ。「柔軟に電力を使いたいが、急な大雨や自然災害の際などにおいて、電源が十分に確保できないなど、さまざまな課題がある」(同社)ことから、今後はポータブル電源をメインの製品として訴求していくという。

 SuperBase ProシリーズはもともとクラウドファンディングMakuakeでのプロジェクトで資金調達が行われていた。目標金額50万円に対して約5000万円を調達した経緯がある。

 公式オンラインストアで先行販売は7月22日、全国の家電量販店や法人向け販売店向けの出荷は29日に始まる。

 ラインアップは三元系リチウムを使用し容量2096Whで約1500回の繰り返し充電が可能な「SuperBase Pro 2000」(直販価格は税込み28万9000円)と、リン酸鉄リチウムを使用し容量1440Whで約3000回の繰り返し充電が可能な「SuperBase Pro 1500」(直販価格は税込み24万9000円)の2モデル。重量はSuperBase Pro 2000が21.2kg、SuperBase Pro 1500が18.8kgとなっている。

ZENDURE SuperBase Pro ポータブルバッテリー SuperBase Proシリーズのラインアップ

 例えば、数日間のキャンプや車中泊といったアウトドア用途でも自宅同様の電力を求めるなら超大容量のSuperBase Pro 2000、使用頻度が高く充電を繰り返すなら、バッテリー寿命の長いSuperBase Pro 1500というように用途や目的に応じて選べる。

 ポート類は次の通り。

  • AC出力×6(110V/2000W)
  • シガーソケット出力(13.6V/10A 136W)
  • USB Type-C出力×4(USB Type-Cの1と2は5-20V 100W、3と4は5-20V 20W)
  • DC出力×3(13.6V/10A 136W)
  • XT60 DC入力(12V-60V/600W)
  • AC入力(110V/1500W)

 SuperBase Pro 2000、SuperBase Pro 1500それぞれで充電できる機器、充電可能時間などは次の通り。

SuperBase Pro 2000

  • ホットプレート1500W:約2.2時間
  • ドライヤー1200W:約1.6時間
  • テレビ110W:約28時間
  • プロジェクター100W:約16時間
  • デジタルカメラ:約200回分
  • 扇風機30W:約50時間
ZENDURE SuperBase Pro ポータブルバッテリー

SuperBase Pro 1500

  • スマートフォン:約150回分
  • LED証明12.5W:約96時間
  • 冷蔵庫150W:約11時間
  • ノートPC:約30回分
  • 電気ケトル1250W:約12リットル分
  • 5合の炊飯器650W:約50合分
ZENDURE SuperBase Pro ポータブルバッテリー

 最大出力はどちらも2000Wだが、AmpUp機能を使えば3000Wまでを必要とする機器に電力を供給できる。具体的にはIH調理器、掃除機、チェーンソー、ドリル、モーター付き機器などのヘビーデューティーな家電や電動工具に対応している。

 高出力の製品に対しては瞬間的に4000Wの電力を供給できる点も売りの1つとなっている。UPS(家庭用停電電源装置)機能も搭載。電源コンセントにSuperBase Proを接続し、必要なデバイスをSuperBase Proに接続すれば、停電になった場合でも自動でバッテリー電源に切り替わるため、繊細な電気機器の予期せぬ損傷を防げる。

 SuperBase Proシリーズ自体の充電は1時間で約70%まで完了できる。コンセントから最大1500WでSuperBase Proを充電できる。

SIM内蔵によりアプリで残量や使用データを確認できる

 屋外などネットワーク環境を確保できない場合、4G対応の内蔵SIMかWi-Fi経由でポータブル電源の残量や使用データ(SuperBase Proシリーズをどれくらい使ったのか)などの情報をスマートフォンアプリに送信できる。

 この内蔵SIMは海外でも使えるが、日本ではNTTドコモの回線に接続する。ユーザーによるSIMの交換は行えない。通信費に関しては最初1年が無料となっているが、無償期間が過ぎた2年目以降は有料となる。ゼンデュア・ジャパンによると、ユーザーが公式Webサイトから月ごと、年間(1万5000円前後を予定)ごとに支払うかどうかを選んだ上で手続きが行えるが、データの具体的な購入手順、金額などの詳細は別途案内するとしている。

 アプリでは電源ON/OFF、出力周波数(60Hz/50Hz)の切り替えだけでなく、SuperBase Proシリーズのディスプレイでは操作できないAmpUpモードのON/OFF、アンビエントライトの色の変更、ファームウェアアップデートなども行える。

ZENDURE SuperBase Pro ポータブルバッテリー アプリと、SuperBase Proシリーズに搭載のディスプレイ
ZENDURE SuperBase Pro ポータブルバッテリー アプリと、SuperBase Proシリーズ本体それぞれで行える操作一覧

 さらに、SuperBase ProシリーズはGPS内蔵のため、アプリ内の地図でSuperBase Proシリーズの位置を確認できる。ゼンデュア・ジャパンいわく、SuperBase Proシリーズが設置された公共施設場所も確認できるそうだが、基本的に位置確認は盗難や紛失を防ぐために役立つとしている。

ZENDURE SuperBase Pro ポータブルバッテリー SuperBase Proシリーズの位置を地図で確認できる

ポータブル電源の必需性は増す

 ここまでお伝えしたように、SuperBase Proシリーズは忘れたころに来る災害への備えやアウトドアといった用途にとどまらず、コンセントが届かないイベント現場や、ワークプレイスへの導入など、さまざまな用途に向くといえる。

 Market Data Forecastによると、バッテリーにAC電源を搭載し電力を持ち運べる世界のポータブル電源市場は2020年の約3億3000万ドルから毎年約7.5%程度成長し、2025年には4億7400万ドルにまで拡大すると見込まれており、ポータブル電源の必需性は増している。

 SuperBase Proシリーズはスーツケースのように持ち運べる点、SIM内蔵やアプリ連携という点など、ユニークな機能を備えた製品でもあるため、各家庭だけでなく、企業の総務担当者、マンションをはじめとする集合住宅の管理組合役員にとっても要注目の製品だろう。

ZENDURE SuperBase Pro ポータブルバッテリー SuperBase Pro

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