酷暑日は「スマホ熱中症」に注意 原因と対策を4キャリアに聞いた(1/2 ページ)

» 2022年07月28日 14時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]

 真夏日が続いているここ最近。外出する際、熱中症にかからないよう、日傘やハンディファン、首元を冷やすネッククーラーなどを装備し、小まめに水分をとるなどの対策をしている人も多いことでしょう。犬を飼っている人であれば、熱せられたアスファルトの上を犬に歩かせないよう、散歩時間を日没後にする、犬用の靴を履かせるなどしているかもしれません。

 とはいえ、熱中症対策をしなければいけないのは、人間や動物だけではありません。私たちが普段からお世話になっているあの機器、スマホも“熱中症”(ここでは、スマホが機能への影響を受けてしまうほど熱くなることを熱中症と表現しています)になってしまうのです。

 なぜ、スマホが熱中症にかかってしまうのでしょうか。その原因と対策、またしてはいけないことなどについて、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルに聞いてみました。

スマホは夏に熱くなるのか?

 そもそもスマホは本当に気温の高い日に熱中症になるのでしょうか。

 セ氏24.7度の室温で、充電中のスマホ(AQUOS Sense 5G)のインカメラ付近の温度を測ったところ、セ氏29.1度でした。触るとほんのり温かいと感じる程度です。その状態で、カメラを起動し、10分間の録画をしたところ、同じ箇所の温度は最大でセ氏32.8度まで上がりました。アウトカメラ付近の方が上がっているのではないかと予想したのですが、そちらはセ氏29.8度という結果でした。

スマートフォン発熱対策 クーラーの効いた室内で10分間録画機能を使った結果、セ氏32.8度まで上がりました

 スマホが冷えるのを待って、次は快晴の空の下、屋外での録画を試みました。日に照らされているからか、日向はセ氏50度近く、日陰でもセ氏46度ほどになっていました。

スマートフォン発熱対策 日中、ずっと日の当たっている箇所はセ氏49.9度にまで上がっていました

 録画開始から5分ほどで、セ氏38.8度だったスマホの温度はセ氏46.7度まで上昇。6分で「本体の温度が上昇したため、カメラを終了します」と表示され、録画を続けられなくなってしまいました。

スマートフォン発熱対策 開始時はセ氏38.8度。セッティングなどでもたもたしている間に、既に熱くなってしまいました
スマートフォン発熱対策 お風呂であれば、熱くて入っていられないほどの温度にまで上がりました

 このことから、気温によっては機能に影響を与えるほどスマホが熱くなる“熱中症”にかかってしまうことが分かりました。

なぜスマホは熱中症になるのか

 では、何が原因でスマホは熱中症にかかってしまうのでしょうか。

 「インターネット、ゲーム、動画再生、通話」など負荷の高い使い方を長時間続けることで、「大量の電力を消費して発熱する」(各社)上、「高温下では発生した熱を放出できない」(KDDI、楽天モバイル)ことにより、スマホが高温になってしまうということです。

 KDDIからは「充電処理も熱が発生するため、充電しながら操作する“ながら充電”では、よりスマホが熱くなってしまう」、楽天モバイルからは「直射日光が当たる場所、布団の上などスマホが放熱しにくい環境でも、スマホの温度が上昇する」と教えてもらいました。

 真夏日の屋外では、カメラの利用や、スマホの基本機能である通話やネット利用などもどうやら難しそうです。

スマホのどの部分が熱くなるのか

 次に、スマホのどの部分が発熱しやすいのかも聞いてみました。

 ドコモは「CPUやカメラなどの基幹部品と電池」、KDDIは「カメラユニットが特に熱を持ちやすい」、ソフトバンクは「使用している部品(CPUやカメラ、電源、電池)など」、楽天モバイルは「複数の部品。一般的には電流を多く消費する部品(CPU、カメラ、無線モジュール、フラッシュLED)などバッテリーからの発熱が多い」と答えをいただきました。

 電力消費の激しい部品が発熱しやすく、特にCPUやカメラの周りは高温になるので気をつけましょう。

スマートフォン発熱対策 CPUやカメラの周囲は特に高温になりやすい

スマホが熱を持つと何が問題なのか

 手で持っていられないほどスマホが熱くなれば、操作できなくなりますが、それ以外にどのような問題か出てくるのでしょうか。スマホの機能に関連したものと、ユーザーに関係した問題や危険について質問しました。

 ドコモは「スマホの温度センサーがしきい値以上の温度を検出すると、CPUの処理速度を落とす、画面の輝度を落とす、充電できなくする、カメラ機能を停止するといった制御をすることがある」、ソフトバンクからは「電池の劣化につながる」、楽天モバイルからは「発熱を監視する機能により、発熱が大きい場合は機能、パフォーマンスが制御される。そのため、充電の停止、フラッシュライトの消灯、CPUの処理速度低下、場合によってはスマホのシャットダウンが生じる。部品の寿命が短くなり、早期故障のリスクも高まる」という回答を得られました。

スマートフォン発熱対策 カメラ機能が、スマホの熱中症により止まってしまった例。筆者が初めてこれを体験したのは、夏の海岸でGalaxy S6 edgeを使って動画撮影をしているときでした

 ちなみに、iPhoneの動作環境温度はセ氏0度〜35度、「AQUOS R7」はセ氏5度〜35度、「Xperia 1 IV」ではセ氏5度〜35度、「Google Pixel 6」はセ氏0度〜35度、「Galaxy S22 Ultra」はセ氏5度〜35度など、と定められており、35度をやすやすと超える2022年の夏は、どのスマホにとっても過酷な環境となりそうです。

 ユーザーへ与える影響としては、「長時間触れていることによる低温やけど」(各社)「夏季に自動車のダッシュボードに放置することによる発火の危険性」(楽天モバイル)というものがあります。

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