Reno5 Aよりも約55%売れている 「OPPO Reno7 A」が日本ユーザーから支持された理由(2/3 ページ)

» 2022年08月18日 13時25分 公開
[石野純也ITmedia]

海外メーカーが継続的に防水やおサイフケータイに対応したことに注目してほしい

―― 海外モデルに、ベースになるような近いモデルはないのでしょうか。

李氏 全くないわけではありません。なぜなら日本の会社と共同で調査したとはいえ、そのリサーチの結果や資産はグローバルで共有しているからです。特に、東南アジアの市場では共有できる部分も実際にありました。

河野氏 逆輸出と言ったらいいのでしょうか。日本が提案したデザインやカラーがグローバルモデルとして受け入れられているのは、面白い現象ですね。

李氏 直接そのモデルが採用されるというようなわけではないのですが、調査データは出しています。例えば海外だと、バッテリーが大容量で画面サイズも6.7型以上というのがトレンドでしたが、だんだんとグローバルの商品も軽く、薄くなってきています。日本市場と3年以上前から言われていたことですが、最近ではグローバルモデルも6.4型ぐらいまで小さくなっている事実があります。そういったバランスが取れることもあり、われわれの意見が聞き入れられるようになりました。

河野氏 おサイフケータイや防水・防塵といったニーズも、最初はむちゃくちゃ反対されました。われわれが「やるぞ」と作り、結果もしっかり出ている。われわれだけがそう言っているのではなく、ユーザー調査やデザイナーの意見を踏まえ、しっかり本社にはプレゼンテーションしています。

李氏 これは言うのは簡単ですが、やるのは大変です。特に海外メーカーのわれわれが連続しておサイフケータイや防水・防塵を入れていることに注目していただきたいですね。1回、2回はできるものですが、継続的にやろうとすると、会社の方針として体制を作らなければできません。河野は一言で説明しましたが、本社には日本市場のことを相当説明しています。

河野氏 李が言ったように、これはけんけんごうごうやったところです。「オレたちの方が日本市場に詳しいのに、そんなに突っぱねるならやらないぞ」と言ったこともありました。

「気に入っているからこそ長く使いたい」という声が多かった

―― 長く使えることをここまで大々的にアピールしているメーカーも、珍しいと思います。

河野氏 メーカーの立場からすると、本当は1カ月に1回ぐらい買い替えてほしいのですが(笑)。というのは冗談ですが、ユーザー調査をすると、こういうことを考えているんだということが分かりました。他社はどうなのかは分かりませんが、OPPOに関しては、気に入っているからこそ長く使いたいという声が多かった。使っているとだんだん重くなり、初期化をしなければいけない。ただ、愛着がわくのでずっと触っていたいという消極的な要求は多かったですね。

 それをかなえるための手段がReno7 Aで、「ときめき、長持ち」というキャッチコピーを使っています。好きだからこそ、最初に電源を入れ、セットアップするときのときめきを長持ちさせたい。そういうコンセプトで使っている言葉です。

李氏 調査をすると、買い替えのサイクルが3年以上ということが分かってきました。では、ユーザーはどういう理由で買い替えるのか。トップ3は、電池が劣化した、端末自体が壊れたり水没したりしてしまった、動作がガタガタになってストレスを感じるというものです。そこにニーズがある。モノ作りをしていると、新しい技術を提供し、新しい体験を提供したいのですが、それは調査の上位には入っていません。

 長く使うだけでなく、ストレスを感じずにサクサクしていることが重要だと分かりました。実は日本で調査した結果は、中国と似たようなところもありました。中国も、以前は多いと半年に1回買い替える人もいたほどで、多くのSKUを出していましたが、そのトレンドがだんだんと落ち着いてきています。これから、さらに変わっていくと思っています。

OPPO Reno7 A OPPOの調査によると、半数以上が「端末をあまり買い替えたくない」「同じ端末を使い続けたい」と回答している

―― どのようにサクサク感を維持しているのでしょうか。

李氏 Snapdragon 695 5Gという最低限のベースがあり、メモリも6GB積んでいますが、そこからさらに仮想メモリでメモリを増やし、ソフトウェアも工夫しています。分かりやすく言うと、カメラやブラウザ、マップといったよく使うアプリの起動スピードや、画面を動かす際のガタガタ感に注目しました。メモリの使い方を変え、なるべく同じような利用シーンのアプリを近い場所に保存することで高速化を図っています。

OPPO Reno7 A 6GBのメモリに加え、最大5GBメモリ拡張技術を採用している

―― 長持ちはキャッチコピーでもうたっていますが、ここを前面に出しているのは日本だけでしょうか。

河野氏 キャッチコピーをつけたのは日本が初めてですね。長く使いたいという欲求やご要望があったのが大きい。好きなんだけど……というところにどう訴求するのか。マーケティングとしてこれをどう訴求するかを考え、ナガモッティというキャラまで作っています。

OSアップデートの約束が難しい理由

―― ただ、OSのアップデートが何年という保証がありません。

李氏 確かにグローバルメーカーでは言い切れているところはありますし、われわれも約束している部分はあります。では、海外メーカーが日本でお約束できるかというと、お客さまの1人であるキャリアとお話した結果次第というところがあります。それが1つの要素です。

 もう1つは、日本独自のキャリアカスタマイズをした部分のメンテナンスに、技術確認を1つ1つ取らなければならないところです。QualcommやGoogleの確認を取った上でお約束をしなければなりません。ニーズがあり、必要ということは分かっています。これをやるためにどうしていくべきか。今、2回やる方向での調整をしています。

OPPO Reno7 A オウガ・ジャパン プロダクト部 部長の李毅(レオ・リー)氏

河野氏 もう少しキャリアの採用台数が増えてくると、お客さまにとっても有意義なサービスを提供できるようになります。キャリアに主導していただき、多くの台数が出るからこそビジネス的な部分との整合性が取れることもあります。そこは、われわれにとっては難しい判断になります。同様に、フラグシップスマホをなぜ出さないのか、という雰囲気もありますが、あれも経営判断です。

 われわれとしては、やはり「Find N」や「Find X5 Pro」のような製品は出したい。準備はしていていつでも出せる状態ではありますが、技適を取ってSIMフリー(オープンマーケット)でだけだせばいいかというと、そういうものでもありません。われわれは、ローカルに根差す企業として、パートナーとの関係性を大事にしています。海外で売れているかといって、技適とPSEだけ取って出すようなことをしていると、ウィン・ウィンの関係になりません。

李氏 出した後のサービス、保守も重要です。値段が高くなればなるほど、そこは手厚くしなければならない。丁寧に説明して、スピード感を持って修理することが求められます。下手なことをしてしまうとダメージが大きいのも、怖いところです。

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