最後に今後のスマートフォンの画面サイズを予測してみることにする。今後の画面サイズを考えるのであれば、フォルダブルスマートフォンやスマートウォッチ連携の存在を忘れることはできない。
世界的なトレンドは、視聴体験を求める画面の大きいスマートフォン+決済や通知、フィットネスを担当するサブディスプレイ的な役割を持つスマートウォッチの組み合わせに変わってきている。大画面端末の新たな形として登場した折りたたみ式スマートフォンは、当初は色物的な扱いであったが、「Galaxy Z Fold3」などの防水機構を備える機種が登場するなど、安心して使えるように進化を遂げている。
加えて、おサイフケータイを利用できるスマートウォッチがApple Watchを始め、Android端末向けにもいくつか展開されている。このようなウェアラブル端末を利用することで、画面の大きいスマートフォンでもカバンに収めたまま電子決済を利用することが可能だ。日本では FeliCaが主流だが、諸外国の商品を見ていると、NFC決済対応で現地の鉄道網を利用できるものもある。
フォルダブルスマートフォンは大画面を小さく畳んで持ち歩く点では、非常に理にかなった端末である。その 一方で大画面を折りたたむことで見かけは小さくできるものの、一般的なスマートフォンよりも分厚く、重くなってしまう。それを補完する上でもスマートウォッチ連携は重要になりつつある。
そのようなトレンドになりつつある現在では、画面の小さいスマートフォンはニッチジャンルになりつつある。小型といえるラインは「iPhone 12/13」などを基準としており、これよりも小さいものが「小型」として扱われる傾向だ。
特に日本では小型スマートフォンというよりは、小型でかつ「FeliCaを搭載した」機種が求められる。小さいことを生かしてウォレットとして利用できることに関心が高い。事実、小型端末でもFeliCaの有無だけで市場の関心度がまるで違うのだ。
今なお「AQUOS R compact」シリーズやかつての「Xperia Z Compact」シリーズのサイズ感を求める声は一定数存在する。その裏付けとして「Rakuten Hand」シリーズやBALMUDA Phoneといった小型スマートフォンが展開され話題となった。2021年はASUSの「ZenFone 8」が防水とおサイフケータイに対応したことで、SIMロックフリーで日常利用可能な小型ハイエンド端末となった。ハイエンドでコンパクト路線をゆく「Xperia 5」シリーズも通年にわたって好評だ。
小型スマートフォンは世界的に見ればニッチな存在なのかもしれないが、日本では確実に求めているユーザーが一定数いる。少なくともそのような商品が展開されると、スマートフォンを選ぶ幅が広がるはずだ。
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