欧州の“らくらくスマホ”最新モデル「emporia SMART.5」はフリップカバー付きで面白い山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2022年10月18日 11時16分 公開
[山根康宏ITmedia]

 欧州では年配者向けのスマートフォンの専業メーカーがいくつか存在します。その中でも老舗といえるEmporiaの最上位モデル「emporia SMART.5」をドイツの家電量販店で触ってみました。

emporia SMART.5 欧州のらくらくスマホ的なモデル「emporia SMART.5」

 emporia SMART.5は簡単操作が特徴の1つ。フリップ型のスマートカバーが付属しますが、カバーを閉じたままでも着信の受信と切断、カメラ、そして背面ライトをオンにすることができます。カバーを閉じた状態では上側の窓に壁紙と時計、着信時には電話番号など必要最小限の情報が表示されます。このタイプのカバーはかなり昔に流行したデザインですが、年配者向けのスマートフォンには今でも有用なのでしょう。

emporia SMART.5 カバーを閉じたままでも4つの操作が可能

 カバーにある4つのボタンは、閉じたときに画面上をタッチするようになっているだけのシンプルな構造。emporia SMART.5は年配者向けの製品であり、価格を抑えるために複雑なテクノロジーは使っていません。なお、ドイツでの価格は249ユーロ(約3万4000円)でした。

emporia SMART.5 カバーのボタンが画面をそのままタッチする

 ディスプレイは5.5型(720×1440ピクセル)、プロセッサは非公開で1.8GHzの8コア、恐らくMediaTekあたりだと思われます。メモリ3GB、ストレージ32GB、バッテリーは3550mAh。低スペックであることからか通常利用でも1日は十分に持ち、最大待受時間は4日間とのこと。IP54の防水にも対応。ホーム画面はカバーを閉じていたときとほぼ同じサイズで壁紙が上に表示され、その下には大きなタイルで「電話」「SMS」「写真」「設定」が並びます。

emporia SMART.5 低スペックな製品だが簡単操作のUIで年配者も安心して使える

 アプリ画面を開くとこちらもアイコンは大きく、2×4の8個が並びます。視力の弱い方でも操作しやすいでしょう。文字の大きさもかなり大きく設定できます。QRコードリーダーがプリインストールされており、NFCも搭載。欧州でも主流となりつつあるモバイル決済をすぐに利用できるようになっています。さらには本体パッケージには印刷された124ページの説明書も付属。操作に困っても紙の説明書を読むことができます。

emporia SMART.5 アイコンが大きいため視力の弱い人でもアプリを判別しやすい

 アウトカメラは1300万画素。200万画素のマクロと200万画素の深度測定カメラも搭載します。カメラの下にはハートのアイコンが見えますが、これは緊急発信用のボタンです。さらに、フリップと緊急発信ボタンのない替えカバーが付属します。いざというとき常に家族などに連絡を取りたいときはボタンありのカバーを、誤操作してしまいがちな人はボタンなしのカバーを選べます。

emporia SMART.5 カメラはトリプル仕上げ。その下に緊急発信ボタンがある

 スマートカバーはマグネットで背面に留めることができるため、カバンの中で不意に開いてしまうこともありません。72(幅)×150(高さ)×10(奥行き)mm、179gの大きさは年配者の方も無理なく持ち運べるでしょう。派手な機能はないものの、Emporiaは家族と常につながるスマートフォンを開発し続けています。

emporia SMART.5 大きすぎず小さすぎずの、ちょうどいいサイズ

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