質疑応答では、楽天モバイルが求めるプラチナバンドの再割り当てに関して問われ、「もう少し地に足がついた形で、いろいろな事情があることを理解してもらいたい」とやんわりと否定した。
楽天モバイルは、新規参入のため既存3社に比べると保有する周波数が少なく、特にプラチナバンドと呼ばれる周波数帯の割り当てを総務省に対して求めている。楽天モバイルの主張では、既存3社からそれぞれ一部を再割り当てするという手法を示し、さらにそれに伴う費用負担を既存3社に求めている。
宮川社長は、「個人的に(楽天モバイルの)気持ちは非常に理解できる」と同情的。ソフトバンク自身、新規参入後の6年間は「プラチナバンドを欲しいと言い続けてきた」(同)経緯があり、「通信キャリアにとって、プラチナバンドのあるなしでずいぶん戦い方が変わる」(同)からだ。
「ただ」と宮川社長は続け、「われわれの使っている周波数を渡すとなると、今使っているユーザーをどうするのか」という問題が解決できないというのが宮川社長の主張だ。こうした問題を各社で確認し合う必要があり、「仮に渡すとしても相当な準備期間が必要。明日すぐに渡すというのはさすがに無理」と宮川社長は強調する。
ソフトバンクでは、プラチナバンドがない時代にカバー率を上げるために基地局の設置数を増やし、「12万局を作って面カバーをした」(同)。その結果、スマートフォン時代になってトラフィックが急造し、無制限のような大容量サービスにも対応できるのは、「そのときの(苦労の)おかげ」と宮川社長。
プラチナバンドがないなりの戦い方が、今後どのようなメリットにつながるか分からないという考えを示した上で宮川社長は、「(楽天モバイルは)もう少し地に足がついた形でゆっくり会話しながら、われわれにもいろいろ事情があることを理解してもらいたい」と話していた。
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