V字回復に向けて順調なソフトバンク 楽天モバイルが望むプラチナバンドは「すぐには渡せない」と宮川社長(1/3 ページ)

» 2022年11月05日 08時52分 公開
[小山安博,ITmedia]

 ソフトバンクは11月4日、2023年3月期第2四半期連結業績を発表した。売上高は前年同期比3%増を確保したものの、携帯電話の通信料金値下げなどが影響し、営業利益13%減の増収減益。下期も値下げ影響はあるものの「今期をボトムにさらに縮小する見込み」(宮川潤一社長)で、同社では業績予想を上方修正。経営目標も順調に達成できると自信を見せた。

ソフトバンク ソフトバンクの宮川潤一社長(ソフトバンク提供)

2023年度の営業利益V字回復に向けて順調に進展している

 2022年度上期の売上高は2兆8086億円で前年同期比3%増となり、セグメント別ではモバイル通信を含むコンシューマー事業の1%増を含め、全セグメントで増収となった。営業利益は4986億円で同13%減、セグメント別では流通事業などで1億円の増益となったが、それ以外の事業は全て減益となった。純利益も2371億円で同23%減。

ソフトバンク セグメント別の売上高は全セグメントで増収
ソフトバンク 営業利益はほぼ全体で減益

 減益要因としては、通信料値下げ影響が490億円のマイナス。顧客獲得関連費用が210億円増加したマイナス要因は、契約数の増加とコスト削減効果による209億円のプラス影響とほぼ相殺されたが、値下げ影響が利益を圧迫した。

 法人事業では、期初に予定していなかった訴訟に関する引当金の計上などもあって減益。ヤフー・LINE事業は、成長に向けた採用強化、販促費の増加などが160億円のマイナスとなった。加えて、投資有価証券の評価損や訴訟の遅延損害金の費用が392億円かさみ純利益を押し下げた。

ソフトバンク 純利益の増減要因

 10月1日に連結子会社化したPayPayは、企業価値の再測定によって、第3四半期には再測定益2948億円が計上される。無形資産の償却費が260億円必要となるが、トータルでは大幅なプラスとなり、2022年度上期の営業利益に上乗せして7674億円となり、通期予想に対する進捗(しんちょく)率が77%に達する。

ソフトバンク PayPayの子会社化が進捗率を押し上げた

 結果として、減益ではあったが進捗率は順調なため、営業利益1兆円以上、純利益5300億円以上という業績予想を上方修正し、それぞれ1兆500億円、5400億円とした。結果として、経営目標である営業利益1兆円以上、調整後フリーキャッシュフロー6000億円水準、2023年度に営業利益V字回復という3点について、宮川社長は達成に向けて順調という認識を示す。

ソフトバンク
ソフトバンク 通期予想は上方修正

値下げ影響は縮小、「ようやく魔の3年の終わりが見えてきた」

 コンシューマー事業では、電力事業の「でんき」が大幅な売上増を達成し、モバイル事業などの減収を賄って1%の増収となる1兆3855億円。営業利益は値下げ影響で13%減益の3156億円だった。

ソフトバンク コンシューマー事業ではでんきがけん引して増収

 値下げ影響は第2四半期で約240億円のマイナスで、前四半期より影響幅は縮小。通年では900億円のマイナス影響となる見込み。ただ、これをピークとして2023年度は500億円のマイナス影響まで減少する予想で、「ようやく魔の3年の終わりが見えてきた」と宮川社長は胸をなで下ろす。

ソフトバンク 値下げ影響は四半期別では縮小傾向に
ソフトバンク 2022年が最大の影響で、2023年以降は大幅に縮小する見込み

 そうした中でもスマートフォンの契約数は順調に増加しており、2022年度第2四半期は2832万契約で7%の増加。スマートフォン純増数は28%増の74万、スマートフォン以外にタブレットやデータ通信、法人契約などを含む主要回線の純増数は339%増の34万と大幅増になった。MNPも順調で、全キャリアに対して流入の方が多くなるプラスの状況だったという。

ソフトバンク
ソフトバンク スマートフォン契約数は増加し、純増数も順調に拡大した
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