円安と物価高で携帯出荷は減少傾向、2022年度通期で過去最少の見込み MM総研調べ

» 2022年11月15日 16時00分 公開

 MM総研は、11月15日に「2022年度上期(2022年4月〜9月)国内携帯電話端末の出荷台数」を発表した。

 2022年度上期の総出荷台数は前年度上期を下回り、1475.3万台(前年度同期比8.5%減)と2000年度以降の上期出荷統計としては3番目に少ない。内訳はスマートフォンが1395.1万台(5.2%減)、フィーチャーフォンは80.2万台(42.3%減)となった。5Gスマートフォンは1346.3万台(73.8%増)で、スマートフォン出荷に占める5G対応比率は2021年度上期の52.6%から96.5%まで拡大した一方、フィーチャーフォンは過去最低を更新した。

MM総研 2022年度上期の国内携帯電話端末/スマートフォン出荷台数

 メーカー別総出荷台数シェア1位はAppleで、11期連続で1位を獲得。総出荷台数は606.6万台と前年度同期比から8.5%減だがシェア41.1%を維持している。上期出荷台数の減少は2021年度に過熱したiPhone値引き販売の反動で、値上げによるユーザーの反応は下期になると想定している。

MM総研 メーカー別の総出荷台数/スマートフォン出荷台数シェア

 総出荷台数シェア2位はシャープで190.7万台(6.0%増)/シェア12.9%(1.7ポイント増)、3位はFCNTで179.9万台(66.3%増)/シェア12.2%(5.5ポイント増)、4位はソニーで156.1万台(0.6%減)/シェア10.6%(0.9ポイント増)、5位はサムスン電子で123.1万台(17.2%減)/シェア8.3%(0.9ポイント減)、6位は京セラで73.2万台(56.3%減)/シェア5.0%(5.4ポイント減)。2021年度上期と比較するとFCNTが6位から3位に順位を上げ、京セラはKDDI向けフィーチャーフォン需要が減少した影響でシェアが減少している。スマートフォンでは国内メーカー3社がAQUOS wishシリーズ、Xperia Ace III、arrows Weといった低価格モデルの出荷台数を伸ばした。

MM総研 メーカー別の総出荷台数/スマートフォン出荷台数シェア

 MNO4社のスマートフォン出荷台数はNTTドコモが580.4万台(シェア41.6%)、KDDIが319.7万台(22.9%)、ソフトバンクが323.3万台(23.2%)、楽天モバイル53.6万台(3.8%)と4社合計で91.5%を占めた。MVNO、家電量販店、ECサイト、メーカー直販など販売されたオープン市場でのスマートフォン出荷台数はAppleが68.5万台(58.0%)で1位となっている。

MM総研 キャリア別/オープン市場のスマートフォン出荷台数シェア

 同社は2022年度通期の総出荷台数を3041万台(前年度比17%減)、2000年度以降の通期出荷台数としては過去最少になると予測。要因として、上期スマートフォン出荷台数が販売状況に反して減少せず携帯キャリアの在庫が増加している点、円安や物価上昇の影響で携帯電話サービスへの支出を抑える傾向が顕著になる点を挙げている。

MM総研 国内携帯電話端末の出荷台数予測

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