楽天は、楽天市場に出店している店舗向けイベント「楽天 新春カンファレンス 2023」を1月27日に開催した。基調講演で三木谷浩史会長が「楽天モバイル 法人プラン」を披露した。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年1月28日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
「ニーズに合わせて選べる3プラン」として、データ3GBで2178円、5GBで2618円、30GBで3058円、いずれもアプリでの国内通話かけ放題を提供している。
これまでコンシューマーに提供してきた「Rakuten UN-LIMIT」に比べると、かなり常識的な値付けになっている印象だ。
ただ、「法人プラン」ということで、実際のところ、本当にこの料金プランで顧客に提供されるのかは不透明だ。回線数や営業交渉によって、様々なカスタマイズが可能なのではないだろうか。
ただ、ちょっと気になったのが、国内通話かけ放題がアプリ「Rakuten Link Office」での通話のみが対象となっている点だ。通話アプリということで、iPhoneの場合は、着信履歴からの発信は、そのままやってしまうと標準の通話アプリからの発信になってしまうはずだ。
そのために楽天モバイルでは、OS標準アプリでも通話やSMSが使い放題になるよう、月額1100円で、15分通話かけ放題のオプションを提供するようになった。
11月26日に配られた資料には15分のかけ放題オプションの記載はなかった。
法人プランは1月30日にまた正式な案内が出るようなので、15分通話かけ放題のオプションが提供される可能性が高そうだが、やはり、法人ニーズを意識するのであれば、15分とは言わず、OS標準アプリで何分でもかけ放題という方が望ましいのではないか。
仕事で使う場合、やはり「無料通話は15分までなんで」と通話を一端、切るというのは難しい。クレーム対応で延々と会話を続けることがあるわけで、15分間で切れるものではない。
楽天モバイルでは2022年7月から先行トライアルを実施し、すでに400以上の法人ユーザーに使われているとしているが、OS標準の通話アプリでの音声かけ放題のニーズはなかったということなのだろうか。
また、法人向けということで、社外の人とやりとりするとなると、やはり「+メッセージ」には対応して欲しいのではないだろうか。
個人的にも相手がiPhoneユーザーであれば、iMessageで事足りるのだが、相手がAndroidとなると、+メッセージの出番となる。
友達関係であればLINEやFacebookメッセンジャーになるのだろうが、仕事関係であれば、+メッセージあたりがちょうど良かったりする。
楽天モバイルとしては「Rakuten Link Office」を普及させたいのかもしれないが、さすがに無理がある。
もうちょっと、法人ユーザーのニーズを満たせる機能やオプションを備えた方がいいのではないだろうか。
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