スマートフォン新製品の投入が外的要因で思うように進まないHuaweiですが、ポルシェデザインと提携した美しいボディーを搭載するモデル「RS Porsche Design」シリーズは製品が発売されるたびに中国では即完売してしまうほどの人気製品。しかも価格は20万円以上と高価なのです。
最新のポルシェデザインモデルは2022年9月に発売された「Mate 50 RS Porsche Design」。Mate 50シリーズの最上位モデルとなる製品です。
基本スペックは6.74型(2616×1212ピクセル)、120Hz駆動のディスプレイには1300万画素と深度測定用の2つのインカメラが上部に配置されます。プロセッサはSnapdragon 8+ Gen 1 4Gを搭載。バッテリーは4700mAhで66Wの急速充電に対応、ワイヤレスも50W充電が可能です。5Gに非対応なのが残念ですが、実はTD-Techから発売されているカバー型のアクセサリー「5Gモデムカバー」を装着すると5G通信ができるという裏技もあります。
背面の独特なデザインは、一目でこのモデルがポルシェデザインの製品であることが分かります。とはいえ、実はデザイン面でちょっとややこしい動きがありました。Huaweiはご存じの通り米国政府からの制裁を受けてプロセッサの自社製造が中断を余儀なくされています。そこでサブブランドながら中国で絶大な人気だった「HONOR」を分社化。そのHONORの製品は当初はHuaweiのMateシリーズにかなり似たものでした。
そしてこのポルシェデザインと類似の「六角形のカメラ台座」「流線型の背面デザイン」の製品がHONORからも出ていたのです。時系列で並べると、
HONORの製品は5Gに対応していることもあり「5G版のポルシェデザイン」と呼ぶ声も多くありました。それほどまでにこのRS Porsche Designは人気があったのでしょう。
カメラは5000万画素と4800万画素(3.5倍望遠)、1300万画素(超広角)の3つを搭載します。前モデルまではライカとの協業が続いていたので、カメラの中央部分に「LEICA」のロゴが入っていましたが、その協業は終了。Huaweiは独自開発したイメージング技術「XMAGE」を推しています。そのためカメラ部分はだいぶすっきりしたデザインになっています。
こちらはベースモデルともいえる「Mate 50 Pro」。前モデル「Mate 40」シリーズまでは、円形のカメラ台座の円周部分にカメラを等間隔で配置していましたが、Mate 50シリーズでは中央にまとめて並べる形状になりました。そのため、同じMate 50シリーズでもRS Porsche DesignとProではかなり印象が異なります。
Huaweiはカメラに特化した「P60」シリーズを2022年3月23日に発表しましたが、中国では引き続きMate 50 RS Porsche Designも人気を保ち続けるでしょう。ハイエンドスマートフォンの性能がほぼ横並びの今、デザインで選べる製品がもっと出てきてほしいものです。
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