筆者はiPhoneでeSIMを使っているので、この辺の操作は手慣れたもの……なのだが、副回線サービスではeSIMの「開通確認」を行うとのことで、店員の指示に従い、利用する端末(AQUOS R7)に副回線サービスのeSIMを書き込むことになった。
「アクティベーションコードを受け取ったら、速やかに店を出て設定を自分でしたい」という人もいるかもしれないが、ここは素直に従うことをお勧めする。
書き込む手順だが、従来のeSIMと大きく変わることはない。AQUOS R7を含むAndroid端末の場合、大まかな手順は以下の通りとなる。なお、OSのバージョンやメーカー(機種)によってはメニューの階層や項目名に細かい違いがある可能性もあるので注意したい。
文字にすると「手順多いなぁ」と思うかもしれないが、サクサクと進めれば10分程度、そうでなくても20分もあれば手続きを完了できるはずだ。店員も設定マニュアルを持っているので、設定に困ったら聞けばいい。
なお、最後に本体を再起動するのは、副回線サービス用の電話番号を正しく表示するためである。
副回線サービスで割り当てられる電話番号は、通常使っている番号とは異なる。番号を確認するには契約時にもらえる書類の控えか、端末に表示される電話番号を確認するしかない。My SoftBank(契約者用Webサイト)では確認できないので気を付けよう。
筆者を担当した店員は、副回線サービスの手続きを行うのは初めてだったようで、開通確認への電話もおっかなびっくり行っていた。とはいえ、手続きはスムーズに進んだので問題はない。
副回線サービスによって、ソフトバンクとauの両回線を利用できるようになったAQUOS R7。実際に使ってみると、良くも悪くも「普通のnanoSIMカードとeSIMを組み合わせたデュアルSIM」以上でも以下でもない。
メリットを挙げるとすると、KDDI(または沖縄セルラー電話)と契約することなく、au回線も利用できるようになったという1点である。
緊急時用という割り切った設定ということもあって、月額429円でデータ通信は月間500MB、しかも上下最大300Kbpsと制限が厳しい。ひも付け元回線におけるデータ容量はもちろん、通話(準)定額オプションも適用されないので、金銭的なメリットは限りなく皆無に近い。
メインの携帯電話回線がソフトバンクという場合は、何ならpovo2.0をバックアップ用に契約した方がメリットが多いのではないかと思う。バックアップ用途であれば、NTTドコモ回線を使ったeSIM対応のMVNOサービスでもいいかもしれない。
ただ「povo(あるいはMVNOサービス)を別途契約する」ということ自体にハードルを覚えるユーザーにとって、副回線サービスは“福音”ともいえるリスクヘッジ策であるともいえる。
例えば地方に住む、スマホにあまり慣れていない両親の端末に副回線を導入しようと思ったときに、ソフトバンクショップでワンストップで設定できるということは、かなり大きなメリットである。「eSIM対応スマホを持たせること」は、ハードルとなるかもしれない。しかし、それさえクリアできれば、現時点において「一番手軽に使えるバックアップ回線」になるだろう。
5月8日現在、副回線サービスのeSIMアクティベーションコードは、ソフトバンクショップでしか発行できない。
別の端末にeSIMを移し替える場合、誤ってeSIMを削除してしまった場合など、eSIMの再発行が必要な場合はソフトバンクショップに出向く必要がある。店頭でのeSIMの再発行は、事務手数料が必要となるので注意しよう。
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