絵心がなかったとしても、「自分の頭の中にあるイメージを表現したい」と思うことがあります。仕事であれば、アイデアをイラスト化することで、他の人の理解を促進できますし、適切な挿絵は資料の単調さを払拭します。理想のロケーションに、自分好みのキャラクターを配置したいという願望を実現したいこともあるでしょう。
それを可能にするのが人工知能を使った「画像生成AI」技術です。画像生成AIでは、適切なプロンプト(イメージを言語化したもの。一部では「呪文」とも呼ばれています)を入力することで、それまで学習して取り入れた膨大な量の画像の中から適切なものを選び、組み合わせ、イメージ化します。
例えば、「荒れ狂う海、嵐、ダイオウイカ」と呪文を唱えると(プロンプトを入力すると)、嵐で荒れ狂う海にダイオウイカがいる画像が生成されます。「暗い海」「1匹」など呪文を追加していくと、より自分の頭の中にあるイメージにマッチした画像が生成されます。
画像生成AIには、OpenAIの「DALL-E」、Microsoftの「新しいBing」、Adobeの「Firefly」、piconのLINEを利用した「AIイラストくん」、その他に「Midjourney」「Stable Diffusion」などのサービスがあります。
どれも、利用するにはインターネットへの接続が必須なので、クラウド上で画像生成処理をしているのでしょう。
……ということは、画像生成AIサービスを利用するのに、端末のスペックは関係ないのでは? という疑問が生じました。つまり、エントリークラウであろうと、フラグシップモデルであろうと、スマホを問わず、画像生成AIを利用でき、かつ生成スピードに差が生じないのではないかと考えたのです。
実際のところ、どうなのでしょうか。
今回、検証に利用したサービスはFireflyと新しいBingです。どちらも日本語のプロンプトに対応しているからです。FireflyではChromeアプリをブラウザとし、日本語化した状態で利用しました。
スマホはシャープの「AQUOS R7」とZTEの「Libero 5G III」を使用しました。発売当時、前者は18万円、後者は2万2000円ほどの価格が付けられていたので、8倍以上の価格差があります。
ネット環境はMobileではなく、自宅のWi-Fiルーターを使いました。キャリアによる通信速度の影響を受けないようにするためです。
FireflyにはAdobeアカウントが、新しいBingにはMicrosoftアカウントが必要です。これらの画像生成AIサービスを使いたいと考えるのであれば、作っておきましょう。
Adobeアカウントは無料で作れます。Adobeのサイトを開くと、左上に「ログイン」というリンクがあるので、そこから作成することができます。
Adobeアカウントを作成したら、次はFireflyの紹介サイトを開きます。最初だけ「ベータ版に参加する」ボタンが表示されるのでタップして、現時点でベータ版となっているFireflyにアクセスします。ログインボタンがあるので、タップして、先ほど作成したAdobeアカウントでログインしましょう。これで準備はOKです。
Microsoftアカウントも無料で作成できます。Microsoftアカウントのサイトから作成しましょう。なお、記事執筆時点では、企業用Microsoft 365のアカウントからの利用はできません
新しいBingで画像生成AIを使うには、WebブラウザのEdgeアプリまたは新しいBingアプリが必要です。どちらかをアプリストアからインストールしておきましょう。今回は、新しいBingアプリで検証していきます。
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