「WWDC23」でAppleは何を発表する? VR/ARヘッドセットは確実か iOS 17はサイドローディングに対応?

» 2023年06月04日 11時30分 公開
[山本竜也ITmedia]

 米Appleは6月5日〜9日(現地時間)、年次開発者会議「WWDC23」を開催します。WWDCの基調講演では、毎年新サービスや新製品が多数発表されており、Apple好き、そしてガジェット好きの人にとっても注目のイベントとなっています。

WWDC23 日本時間では6月6日午前2時から開始されるAppleの開発者向け会議「WWDC23」

 新しいiOSや15型のMacBook Air、そしてApple初のARヘッドセットなど、いくつかの情報やうわさなど出てきています。イベント直前ではありますが、WWDC23で何が発表され何が発表されないのか、これまでのリーク情報やうわさなどからいくつか予想してみました。

iOS 17/iPadOS 17、watchOS 10、macOS 14

 WWDCでiOSやiPadOS、macOSの新バージョンが発表されるのは恒例となっており、今年もこれに関する発表があるはずです。

 といっても、いまのところ目立ったうわさや情報は出ておらず、従来バージョンから大きな変更はないものと考えられます。1点気になることがあるとすると、App Store以外からダウンロードされたアプリをインストール可能にするサイドローディングに対応するかどうかということ。

 EUでは、2022年11月にデジタル市場法(DMA)が発効。DMAでは、「ゲートキーパー」と呼ぶ大手ハイテク企業に対して、自社サービスやプラットフォームを、他社や開発者に開放することを義務付けています。まだゲートキーパー対象の企業は指定されていませんが(これは2023年9月6日までに行われる予定)、Appleが指定されるのはまず間違いないと考えられます。この場合、AppleにはApp Store以外からのアプリのインストールを認めるよう強制される可能性が指摘されています。

 このため、Appleの情報に詳しいBloombergのMark Gurma氏は、iOS 17ではサイドローディングに対応する可能性があると予想。ただし、DMAがあるEUでのみ有効にするだろうとのことです。なお、日本でもApp Store以外からのインストールを認めるようAppleに義務付ける法案が検討されており、もし成立すれば日本も対象となるかもしれません。

WWDC23 App Store以外からのストアでアプリをダウンロード可能にするサイドローディングに対応するかが注目されています

15型MacBook Air

 現行の13.6型MacBook Airよりも大きい、15型MacBook Airの登場がほぼ確実と考えられています。Appleは2022年のWWDCでM2チップを搭載した13.6型のMacBook Airを発表しましたが、今年の15型MacBook Airもこれと同様にGPUのコア数が異なる2つのモデル(8コアGPUと10コアGPU)がリリースされる可能性が高いと、Appleの未発表情報に詳しいアナリストのMing-Chi Kuo氏がツイートしています。

WWDC23 Ming-Chi Kuo氏のツイート

M3チップ

 15型MacBook Airについては、次期「M3」チップが搭載されるとのうわさもありましたが、M2チップの搭載が濃厚です。ただ、M3チップ自体は開発が進められており、Mark Gurma氏は年末にM3搭載Macが登場すると予想しています

 Appleはチップ単体での発表をこれまで行っていないので、WWDCではM3チップの発表は行われないと考えられます。詳細が明らかになるのは、今秋に行われるであろうM3チップ搭載の新MacBookやiPhone 15の発表イベントになりそうです。

VR/ARヘッドセット

 今回のWWDCで最も注目されていると言ってもいいのが、AppleのVR/ARヘッドセットの登場でしょう。

 Appleのヘッドセットは、2022年のWWDCで発表されるとのうわさもありましたが、いくつかの不具合を解消できないために発表が見送られたと報道されていました。ただ今回に関しては、既に量産段階に入っているとも報じられており、WWDC23での発表が確実と考えられています。

 伝えられているところによると、VRとARを切り替えることができるというもので、ヘッドセット内の画面は1.41型のマイクロOLEDを採用。解像度は4Kで画素密度は4000ppi、輝度は5000ニトになるとのこと。これが2枚搭載されます。ヘッドセット内部にもカメラやセンサーが搭載されており、ユーザーの表情を認識できるようです。

 気になる価格は3000ドル〜4000ドルになると予想されており、一般ユーザー向けというよりもプロユースを想定した製品になりそうです。Mark Gurman氏は、このヘッドセットがiPadOS向けのアプリにも対応し、Final Cut ProやLogic Proが使える可能性が高いとツイートしています。

 VR/ARヘッドセットの分野は、一定数の需要はあるものの、広く盛り上がったり普及したりしているという状況ではありません。しかし、Appleがリリースするとなると、認知度を含め業界全体が活気づく可能性はあります。なお、Metaは今秋発売予定のMeta Quest 3を6月1日(現地時間)に発表しました。Appleのヘッドセットを警戒してのこと、という可能性もありそうです。

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