Trip SIMは世界120カ国以上で利用可能なSIMで、料金は1日1GB当たり429円からとなる。当初はeSIMでのみ提供し、7月以降に物理SIMの提供を予定する。事前にSIMを受け取ったり、帰国後に返却したりという手間を省ける点が売りの1つとなる。
料金は国や容量よって異なり、例えば韓国で1日500MB使うと563円、2日で668円、3日で808円。米国で1日500MB使うと668円、2日で879円、3日で1054円となる。「長期間使うほどお得になるため、レンタルモバイルWi-Fiルーターよりコストを抑えられる」(猪腰氏)としている。
ただし、eSIMの場合は申し込みから開通まではWebで完結するものの、登録したメールアドレス宛に送られてくるeSIMプロファイルを利用予定の端末とは別の端末に表示させ、利用予定の端末のカメラで読み込む必要がある。
なお、国内では日本の大手キャリアに接続し、海外渡航時には現地のキャリアにローミングで接続する仕組みとしているが、「海外キャリアとの兼ね合いがあり、具体的に各国でどの事業者に接続するのかは発表時点で開示しない」(同社広報)としている。
提供の狙いについて猪腰氏いわく、今後見込まれる海外渡航頻度の増加だという。
日本政府観光局(JNTO)によれば、4月に日本を出国した人の数は33.6%の560千人で、1年前の4倍となる。訪日外国人客は1949千人と2019年比で66.9%まで回復した他、法務局による日本人出国者数は36%と海外と日本の往来が活発になり、5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症となったことから、今後さらなる往来の増加が予想されるという。
「航空機の体制がコロナ前のように整えば、再び格安LCCと格安SIMを使った旅行者も増える見込み」(猪腰氏)であることに加え、同社サービス加入者の約6割がSIMを認知していること、eSIMの利用率が22%であることから、今後高まるニーズだけでなく既存ユーザーとの相性が良いと判断し、Trip SIMの提供に至ったという。加えて、1日500MB当たり590円から使えるWi-Fiレンタルサービス、7月に開始予定の物理SIMと合わせて、ユーザーのニーズに応えていく考えを示した。
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