「Galaxy S23 Ultra」のSIMフリーモデル登場、1TBのみで25万3440円 キャリアモデルとの違いは?(1/2 ページ)

» 2023年06月20日 10時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 サムスン電子ジャパンは6月20日、「Galaxy S23 Ultra」のSIMフリーモデルを発表した。Samsungオンラインショップで同日から予約を受け付け、7月6日午前10時に発売する。価格は25万3440円(税込み、以下同)。メモリは12GB、ストレージは1TB固定で、カラーはクリームのみとなっている。

GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 「Galaxy S23 Ultra」のSIMフリーモデル。カラーはクリームのみとなっている

 6月20日10時から7月31日23時59分までにSamsungオンラインショップでGalaxy S23 UltraのSIMフリーモデルの購入/応募を行うと、同ショップで使える1万7000円相当のクーポンが配布される。

暗所に強く処理能力が高くなったGalaxy S23 Ultra

 Galaxy S23 UltraはSamsung Electonics製のフラグシップスマホ「Galaxy Sシリーズ」の最新モデルかつ最上位モデルに位置付けられる。カメラやディスプレイ、SoCを含め、全体のスペックが高いことはもちろんだが、ワコムの電磁誘導方式による「Sペン」を使ったスタイラス機能を先代の「Galaxy S22 Ultra」や「Galaxy Note」シリーズから継承している。

 発表時に強調して紹介されていたカメラ、SoCに関する部分を少しおさらいする。

 カメラに関しては、クアッド構成のアウトカメラ(下記)の内、広角カメラ(メイン)に約2億画素のイメージセンサーに加え、明るいレンズを備える点が大きなポイント。複数の画素(16画素4×4)を1つの画素として扱うことで、集光量をより高めるピクセルビニングを採用し、暗所での撮影に強いことがアピールされている。

  • 超広角カメラ:約1200万画素/F2.2/デュアルピクセル対応/画角120度
  • 広角カメラ(メイン):約2億画素/F1.7/クアッドピクセル対応/光学式手ブレ補正対応/画角85度
  • 望遠カメラ(10倍):約1000万画素/F4.9/デュアルピクセル対応/光学式手ブレ補正対応/画角11度
  • 望遠カメラ(3倍):約1000万画素/F2.4/デュアルピクセル対応/画角36度

 カメラで取り込んだ複数のイメージを合成し、静止画像を生成するGalaxy S23 Ultraだが、イメージセンサーの画素数が多いことにより、画像処理に時間がかからないよう、SoCも強化されている。

 Galaxy S23 UltraのSoCはCPUコア/GPUコア/NPU(ニューラルプロセッサ)コアの最大クロックが通常モデルよりも高い「Snapdragon 8 Gen 2」で、Snapdragon 8 Gen 1搭載のGalaxy S22シリーズと比べて、CPUコアが最大34%、GPUコアが最大41%、NPUコアが最大49%向上し、先の画像処理はもちろん、新たに加わった天体写真が撮れる機能などに、このSoCの処理能力が生かされる。

 ディスプレイは約6.8型のDynamic AMOLED 2X(有機EL)で、Sペンによる手書き入力や、指紋認証に対応する。

GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 約6.8型のDynamic AMOLED 2Xディスプレイで天体写真などを楽しめる

 SIMはnanoSIMとeSIMに対応している。通信規格は5G/4G、Wi-Fi 6E(2.4GHz/5GHz/6GHz帯のIEEE 802.11ax)とBluetooth 5.3も使える。バッテリーの容量は5000mAh(定格値)で、USB PD(Power Delivery)による急速充電にも対応する。Qi(チー)規格のワイヤレス充電も可能だ。

 ボディーサイズは約78(幅)×163(高さ)×8.9mmで、重量は約234gとなる。IPX5/8等級の耐水/防水性能とIP6X等級の防塵(じん)性能も有している。

キャリアモデルとの違いは?

 既にNTTドコモとKDDI(au)から販売されているキャリアモデル「Galaxy S23 Ultra SC-52D」「Galaxy S23 Ultra SCG20」との違いは次の通り。

  • プリインストールアプリがGoogleやGalaxyに関連するものに限定される→キャリアアプリなし
  • One UIホームがプリインストールされている
  • Samsung絵文字
  • バックパネルにSAMSUNGロゴとIMEIのみが印字されている→キャリアロゴなし
  • ストレージが1TBのみ
  • サムスン電子ジャパンの保証サポート「Galaxy Care」の対象

 SIMフリーモデルとau向けモデルの実機を比較すると、見た目はほとんど変わらないが、随所に違いが見られる。

GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 左がSIMフリーモデル、右がau向けモデル

 まずはプリインストールされているアプリについて。au向けモデルにはauの料金確認や変更を行う「My au」、コード決済「au PAY」、会員特典などが受けられる「auスマートパス」などのいわゆるキャリアアプリがプリインストールされており、一部はアンインストールできない。キャリアサービスのユーザーにとっては後からアプリを探す手間が省けるが、必要のないユーザーにとっては厄介でしかない。SIMフリーモデルならこうしたキャリアアプリのプリインストールはなく、必要最低限のGoogle/Galaxy関連アプリのみが並ぶ。

GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 左のSIMフリーモデルにはキャリアアプリがない

 One UIホームがプリインストールされているのもキャリアモデルとの違いで、当然ながらドコモ向けのSC-52Dで選択可能な「docomo LIVE UX」も採用していない。One UIはGalaxy向けに開発されたUI(ユーザーインタフェース)。ホーム画面には手の届きやすい位置にアプリアイコンが並び、画面中央に時計のウィジェットがデフォルトで配置されている。アプリの配列を横4×縦5、横4×縦6、横5×縦5、横5×縦6から選べる他、アイコンやステータスバーなどの色、柄が通常とは異なる着せ替えバージョンに変更できるなど、細やかなカスタマイズ性もGalaxyシリーズならではだ。

 外装については、バックパネルに印字される内容が、キャリアモデルとSIMフリーモデルとで異なる。キャリアモデルの中央付近にはFeliCaロゴが印字されているが、SIMフリーモデルにはない。だからといってSIMフリーモデルがFeliCa非対応ということではなく、おサイフケータイアプリはしっかりとプリインストールされている。バックパネルの下部にはSAMSUNGロゴとIMEIが印字されており、「docomo」「au」のキャリアロゴはない。

GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 左がSIMフリーモデル、右がau向けモデル
GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 SIMフリーモデルにはFeliCaロゴがない
GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 おサイフケータイアプリには対応し、SuicaやPASMOなどを管理できる
GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 SIMフリーモデルには下部にSAMSUNGロゴとIMEIが印字されている
GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 背面から向かって左側面には電源ボタンと音量調整ボタンがある
GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 背面から向かって右側面にはなにもない
GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 本体上側面にはアンテナラインがある
GalaxyS23Ultra SIMフリー オープン市場 下側面にはSペン収納部とUSB Type-Cポートがある

 実はこのSAMSUNGロゴ、S6シリーズからS22シリーズまでの「Galaxy」に置き換わる形で、S23シリーズで復活を果たしたロゴだ。一時期、もともとグローバルで発表されたモデルであっても、日本市場向けのモデルにはGalaxyロゴを印字していた。Galaxy S23シリーズで再びSAMSUNGロゴに戻った理由として、サムスン電子ジャパンは「日本でもGalaxyの認知度はある程度向上したこと」「SDGs(持続可能な開発目標)に対する意識が高まっており、グローバル企業としてサステナビリティ活動に取り組む姿勢を示し、Samsungという社名を前面に出していくこと」を挙げている。

 もう1つのIMEIの印字については、ユーザーに対する配慮ともいえる。Galaxy製品はキャリアモデルでも場合によっては、「Your Service」を使って修理を申し込みすることがあり、その手続きの中でIMEIの確認が必要になる。その際、端末の故障により、ディスプレイを操作してIMEIの確認ができなくても、背面に印字されていれば目視できる。

 この原稿を書いているとき、「Galaxy Z Flip4」のヒンジが壊れて、ディスプレイを開けなくなってしまったとき、このIMEIがバックパネルに印字されていたことで、修理の依頼手続きがスムーズにできた経験を想起した。故障時などに携帯電話の端末(個体)を識別するための番号であるIMEIは、日頃から頻繁に確認することはないだろうが、Galaxy S23 UltraのSIMフリーモデルでも背面印字の配慮があることは、苦い経験を持つGalaxyユーザーとしてはうれしいポイントだ。

 Galaxy S23 UltraのSIMフリーモデルが有料保証サポート「Galaxy Care」の対象である点もユーザーに寄り添った配慮の1つといえる。Galaxy Careは画面割れや水没の際、2年間に2回まで新品同様製品との交換が可能なサービス。基本料金は月額か2年分一括払いの二者択一だが、加入しておけば有償での修理となった場合、自己負担額がサービス非加入時より割安になる。

 サムスン電子ジャパンはGalaxy Careに加え、Galaxy S23 UltraのSIMフリーモデルを4世代に渡ってアップデートすること、それに5年間のセキュリティアップデートを保証している。キャリアの保証サービスに加入できないGalaxy S23 UltraのSIMフリーモデルだからこそ、Galaxy Careや長期に渡るOS/セキュリティアップデートを提供するというのが、同社なりのユーザーへの配慮なのだろう。

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