新規受付停止「OCN モバイル ONE」の今後は? ドコモの「irumo」に乗り換えるべきなのか(2/2 ページ)

» 2023年06月22日 18時20分 公開
[田中聡ITmedia]
前のページへ 1|2       

OCN モバイル ONEの通信品質は維持する

 もう1つ、irumoとOCN モバイル ONEの大きな違いは、irumoはドコモがMNOとして提供するサービスであること。OCN モバイル ONEのようなMVNOサービスは、ユーザーの数やトラフィックに合わせて適切に帯域を増強しないと、通信速度が低下しやすくなる。

 一方、キャリアが直接する提供する通信サービスではそのような心配はなく、通信品質は安定している。しかし、ドコモに関してはここ数カ月、5Gエリア拡大の遅れに起因した通信品質の低下が起きており、ドコモを選べば安心といえる状況ではなくなりつつある。

 OCN モバイル ONEはMVNOの中でも通信速度が出る傾向にあるが、新規受付を停止したことで、今後も帯域を適切に増強していくのかは気になるところ。NTTレゾナントに確認したところ、「既存のお客さまにご不便を掛けないよう、通信品質は維持する」との回答を得られた。現在の通信品質は保たれるということで、この点は安心できそうだ。

 細かなところだが、irumoがMNOのサービスとなったことで、iPhoneでMVNOサービスを利用する際のAPN設定に必要な「構成プロファイル」のインストールは不要になる。iPhoneには構成プロファイルを1つしか入れられないため、MVNOサービスの2回線をiPhoneで使う場合、回線を切り替える度に構成プロファイルをインストールする必要がある。しかしirumoとMVNOサービスを併用する場合、MVNO側の構成プロファイルをインストールするだけで済む。

OCNモバイル オンラインショップは継続も、新機種投入は期待薄

 OCN モバイル ONEといえば、OCNモバイル オンラインショップでスマートフォンを安価に購入できることも魅力だった。MNPに加え、定期的に実施しているセールでも特価で購入できることが多い。OPPOやXiaomi、モトローラなど、ドコモが扱っていないメーカーの端末も多く、ラインアップも豊富だった。

OCN モバイル オンラインショップ OCNモバイル オンラインショップは継続するが、新機種の活発な投入は期待できない

 そんなOCNモバイル オンラインショップも、6月26日でOCN モバイル ONEとのセット販売は終了する。ただし既存ユーザーの機種変更は受け付けており、オンラインショップ自体は継続する。

 今後も新機種を扱うのかについては「お客さまニーズを踏まえて検討する」(レゾナント)とのことだが、6月に発表された「moto g53j 5G」や「OPPO Reno9 A」は、今のところ扱っていない。多数のスマホを特価販売していたのは、OCN モバイル ONEの契約者を獲得するための施策でもあったが、新規受付を停止するとなると、端末を拡充する必要性は薄くなる。以前ほど活発な新機種投入やセールは期待できなさそうだ。

新たなサービスへの乗り換えも視野に入れたい

 ここまで、OCN モバイル ONEとirumoの違いを見てきたが、ドコモ光に乗り換えたり、dカードGOLDを契約したりする意向がなければ、OCN モバイル ONEを使い続けるのが得策だろう。現状のサービス品質は維持されるものの、終息に向かっているのは確か。今すぐではなくても、新たなサービスへの乗り換えも視野に入れた方がよさそうだ。

irumo OCN モバイル ONEの広告塔だった石原さとみさんも、irumoに移行した。OCN モバイル ONEのページからは石原さんの画像は削除済み。irumoのサイトでは、ショートカットにイメージチェンジした石原さとみさんが登場している
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年