NTTドコモがネットワークオペレーションセンターをメディアに公開――日本のネットワークに求められる高信頼と高品質石川温のスマホ業界新聞

» 2023年07月09日 10時04分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 NTTドコモは6月26日、東京・品川にあるネットワークオペレーションセンターをメディアに公開した。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年6月29日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 通常、ドコモ品川ビルでは北海道から東海までの地域を担当。関西以南は西日本オペレーションセンターが管轄している。

 どちらかの施設が災害を受け、運用できなくなった場合は、もう片方がその業務を引き継げる体制がとられている。

 オペーレションセンターでは、巨大なモニターが並び、基地局の状況やNHKのテレビ放送などが確認できるようになっている。

 かつて、KDDIのネットワークオペレーションセンターを取材した際には結構な大きさでTwitterのつぶやきが確認できるようになっており、KDDIだけでなく他社も含めて「つながらない」という発言をチェックし、ネットワークの状況を確認していたのが印象的だった。

 その後、NTTドコモのネットワークオペレーションセンターを取材した際、そうしたTwitterの監視が一切無かったので、「Twitterとかチェックしていないのですか」と尋ねたところ「別のところでチェックしている」とのことだった。

 そのことをメルマガなどに書いていたら、今回、大きなモニターでTwitterをチェックするようになっていたので、もしかすると、このタイミングだけ、巨大モニターに大きく映し出したのかも知れない。

 ネットワークオペレーションセンターでは、基地局がキチンと動いているか、故障していないかの確認は遠隔で行えるものの、ユーザーが高速かつ安定的に通信できているかの確認はできず、これまた別のところで品質の管理を行っているようだ。

 昨今、NTTドコモのネットワーク品質に関しては、とにかく評判がイマイチだ。「この夏までには改善させる」とのことであったが、すでに7月に突入している状態だ。

今回のネットワークオペレーションセンターの取材で改めて「NTTドコモは災害時でも安心だな」という印象を抱いたのだが、やはり普段から安定的に使えないと意味がなかったりする。

 データがサクサク流れないと、通信ARPUも上がらないわけで、キャリアの「ユーザーを大容量プランに移行させる」という狙いも果たせなくなる。

 ユーザーがデータをバカスカ流して、容量をすぐに使い切り、使い放題プランに移行したくなるような快適なネットワークにしないことには、データ通信料収入にも影響を及ぼす。NTTドコモこそがネットワーク品質向上を早く実現したいと思っているのではないか。

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