「ポケモンスリープ」の睡眠計測中は充電しなくても問題ない? 実際に試した結果

» 2023年08月21日 12時22分 公開
[田中聡ITmedia]

 ポケモン社が提供している睡眠計測アプリ「Pokemon Sleep(以下、ポケモンスリープ)」の公式サイトでの説明を見て、気になっていたことがある。それは、睡眠計測をする際、「スマートフォンは電源をつないだまま」を推奨していること。

ポケモンスリープ ポケモンスリープ公式サイトでは、充電しながら睡眠計測することを推奨している

 確かに、睡眠計測する際は、バックグラウンドでスマートフォンが動作している状態が続くため、何もしていない状態よりもバッテリーを消耗しやすくなる。ただ、充電をしたまま放置することは、デメリットも大きい。

 1つはバッテリーの消耗。スマートフォンが満充電された状態が続くと、バッテリーへの負荷が増して劣化を早める恐れがある。睡眠計測中はスリープモードに移行して画面はオフになるので、充電したままゲームをしたり動画を見たりする「ながら充電」ほど負荷は少ないだろう。実際、筆者も何度かiPhone 14 Proを充電しながら計測したことがあるが、起床時にiPhone 14 Proが発熱していることはなかった。それでも、バッテリーの劣化につながることは避けられないだろう。

ポケモンスリープ 布団の上で充電しながら放置するのは、安全面を考えると少し心配

 もう1つ気になるのが、睡眠計測中は、スマートフォンを布団の上に置きっぱなしにすること。充電したままのスマホを布団の上に放置することで、充電中のスマホが発熱し、布団がかぶってしまい、低温やけどをしたり、最悪の場合発火したりする危険性もある。充電しているだけならリスクは少なそうだが、寝ている状態はコントロールできないので、何かの拍子にスマホを触り続けてしまい、低温やけどを負う恐れはある。

 また、そもそもベッドや布団の近くに電源がないという環境の人もいるだろう。だからといってモバイルバッテリーで充電しながら布団に置くのも、安全性の面からお勧めはできない。発熱したモバイルバッテリーから発火したという事故も起きているからだ。

ポケモンスリープ 充電中にスマートフォンが発熱することで、低温やけどを負う恐れがある(国民生活センターの資料より引用)

 そんな声を受けて、ポケモンスリープはX(旧Twitter)の公式アカウントで、「就寝時に端末を充電することができない・充電することにご懸念をお持ちの皆さんへ」と題した投稿をしている。そこでは「端末の電池残量が十分にある場合は、充電ケーブルをつながずに睡眠を計測することができる」としている。ただし、「端末の状態や他のアプリの使用状況などによっては、睡眠計測中に端末の電池が切れる可能性がある」「電池が切れて睡眠計測が終了した場合でも、90分以上計測できている場合は、電池が切れる直前までの計測データが保存される」とのこと。

 バッテリー残量が潤沢にあれば、睡眠計測をするときは、必ずしも充電をする必要はないようだ。では、睡眠計測でどれほどバッテリーを消費するのか。実際に試してみた。使用したのは、バッテリーの最大容量が「89%」となっているiPhone 14 Pro。端末やその状態によって、バッテリーの消費量は変わることがあることは留意いただきたい。

 バッテリー残量が70%の状態で23時26分に計測を開始したところ、起床した翌日5時34分時点で、残り47%まで減っていた。6時間8分で23%消費したことになる。

ポケモンスリープポケモンスリープ 6時間8分で23%を消費した

 別の日に、バッテリー残量が41%の状態で0時24分に計測を開始したところ、起床した翌日6時39分時点で、残り14%まで減っていた。6時間15分で27%の消費だ。

ポケモンスリープポケモンスリープ 6時間15分で27%を消費した。なお、計測前にバッテリー残量が40%だったときは、「充電しながらの計測をおすすめする」旨のアラートが出た

 筆者のiPhone 14 Proでは、6時間強の計測で25%前後のバッテリーを消費することが分かった。もとのバッテリー残量が50%だと、計測後は25%程度にまで減ってしまうので、通勤や通学などで外出をする人は、起床後にすぐ充電しておきたい。

 朝は充電する時間がないため、就寝時に充電をしておきたいという人は、端末側の設定で、バッテリーの劣化が進まないよう調整することをお勧めする。

 iPhoneの場合は、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」にある「バッテリー充電の最適化」という項目。これをオンにすると、iPhoneがフル充電されたままの時間を極力短くして、バッテリーの劣化を軽減してくれる。さらに、就寝時に充電をする傾向をiPhoneが学習すると、それにもとづいてiPhoneが80%まで充電されると、その後の充電を遅らせてくれる。充電サイクルの学習にはある程度の期間が必要だが、バッテリーの劣化を抑えるのに有効な設定だ。

ポケモンスリープポケモンスリープ iPhoneは「バッテリー充電の最適化」をオンにすると、充電サイクルを学習してあえて満充電しないよう制御してくれる

 Androidの場合はメーカーによって設定やその有無が異なるが、例えばAQUOSの場合、「設定」→「バッテリー」→「インテリジェントチャージ」→「最大充電量を変更」という項目から、最大の充電量を90%に抑えてバッテリーの寿命を延ばすことができる。

ポケモンスリープポケモンスリープ スマートフォンAQUOSは「インテリジェントチャージ」→「最大充電量を変更」から設定する(AQUOS R6で確認)

 就寝中に充電をしておきたいが、バッテリーの寿命を延ばしたいという人は、バッテリー関連の設定を見直すといいだろう。

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