iPhone 15シリーズが採用したことで話題を集めている「USB Type-C」だが、気になることがある。それは規格名だ。
一般的にはUSB Type-Cという呼び方が主流だが、Appleは「USB-C」と呼んでいる。記事で紹介する際も、USB Type-Cにすべきか、USB-Cにすべきか悩むことが多い。iPhone 15関連のニュースを見ても、USB Type-Cと明記している記事もあれば、USB-Cと明記している記事もある。
USB Type-CとUSB-Cの規格名は、どちらを使うべきなのだろうか。USB-CはAppleが使っている名称だが、明確な違いがあるのだろうか。
結論から言うと、USB Type-CもUSB-Cも同一の規格で、明確な違いはない。USB Type-Cは、業界団体のUSB Implementers Forum(USB-IF:USBインプリメンターズ・フォーラム)が策定したもので、USB Type-CとUSB-CともにUSB-IFの登録商標となる。
USB-IFの「USB Type-C Cable and Connector Specification」のページには、以下の通り明記されている。
USB Type-C® and USB-C® are registered trademarks of USB Implementers Forum.
USB Type-Cに関連した製品を扱うメーカーや販売会社のWebサイトでも、以下のような注釈が明記されている。
「USB」「USB-C®」「USB Type-C®」は、USB Implementers Forumの商標登録です。
つまり、USB-CはAppleが策定し、Appleだけが使える規格名というわけではなく、他の企業が使っても問題はない。実際、AnkerやASUSも「USB-C」という名称を使っている。
ちなみに、USB Type-CとUSB-Cはどちらも正しい呼び方だが、注意点もある。USB-IFが2019年に開催した「USB DavDays 2019」の資料に、誤った呼び方の例について説明されている。
まず、USB Type-CとUSB-Cは英語以外の言語で翻訳してはいけない。例えば「USB タイプC」「ユーエスビーC」という呼び方はNG。
また、USBを省いて「Type-C」と単独で呼ぶのもNGだという。これはUSB PD(Power Delivery)も同様。USBについて述べている文脈だと、つい省略してしまいそうなので気を付けたい。資料には「Do not use “Type-C” - Do not use “Power Delivery” or “PD”」と明記されている。
1つの規格で2つの名称があり、それがメーカーによって異なる、というのはメディアとしては悩ましい限り。1つの記事で異なる表記を使うのは読者に混乱を与えてしまうので、まずは表記を統一するところから徹底したい(そしてできれば規格名も1つに統一してほしい……)。
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