ネットワーク品質維持には「4Gと5Gのミックス」が肝――「なんちゃって5G」から「真の5G」へ石川温のスマホ業界新聞

» 2023年10月01日 11時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2023年9月23日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。

 なお、本記事は同日配信のメールマガジンに含まれる別トピックの“続き”となるため、文章の冒頭に文脈をつなげるための追記を行っています。


 ソフトバンクの関和氏の話で印象的だったのが結局のところ「4Gと5Gをいかにミックスさせて活用していくか」という点だ。

 5G開始時、5Gの基地局が離散的、ピンポイントでしか設置できていなかったため、セルエッジでは弱い電波をつかんでしまい、満足な品質に至らなかった。また、5Gではないところでは、アンカーバンドに集中してしまい、輻輳が起きてしまった。もちろん、5Gがないところではトラフィックが混雑してしまうのであった。

 NSAのネットワークでは4Gのアンカーバンドが重要になってくる。5Gエリアを点ではなく、面展開していくことで、セルエッジでの品質低下もなくなり、アンカーバンドをうまくコントロールすることで、5Gと4Gのバランスが良くなり、結果として、ネットワーク品質が維持されるようになるという。

 ここで頭のなかでひらめいたのがDSSだ。

 かつて、クアルコムのイベントで熱く語られたのだが、DSSといって、4Gの周波数帯に5G通信できる電波を混ぜてしまうという仕組みだ。

 4Gの周波数帯なので、通信速度の向上は期待できないのだが、クアルコム関係者によれば「DSSによって、5Gのエリアを一気に広げることができる。5Gエリアが広がれば、ネットワークは安定し、さらに5G SAの導入も速くすることが可能になる」と説明されたのを思い出した。

 もちろん、ソフトバンクでもDSSを用いることで、4Gから5Gへの移行をスムーズに行った模様だ。

 しかし、NTTドコモはこの4G周波数の5Gへの転用は否定的で「なんちゃって5Gは優良誤認になる」と断言し、4G周波数の転用はやらないと言い続けてきた(その後、撤回)。

 確かに「5Gにつながっても、速度は全然、速くないじゃん」という評価を生み出たことになるので、5Gにとって良かったかは議論の余地があるが、いずれにしても、キャリアとして5Gに移行するには最良の手段だったと言えるだろう。

 NTTドコモは、DSSといった4Gの周波数帯に5Gを混ぜると言うよりも、まるごと5G向けに転用するといったやり方をしているのではないか。ただでさえ、4Gネットワークがひっ迫しているので、そう簡単に5Gに転用するのも難しいという声も聞いたことがある。

 NTTドコモは「瞬速5G」にこだわったが故に、5Gへの移行に苦労してしまっているのではないか。ソフトバンクは「なんちゃって5G」ではあったが、結果として「真の5G」に着実に近づいているといえそうだ。

© DWANGO Co., Ltd.

アクセストップ10

2026年07月21日 更新
  1. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
  2. なぜ「060」携帯番号は18カ月あっても延期になったのか? それでも「慌てる必要はない」現状 (2026年07月20日)
  3. 専用充電器はもう不要? 中韓スマホから国内勢まで巻き込む「USB PPS」急速充電の新常識 (2026年07月14日)
  4. 「Pixel 11」は何が変わる? メモリ減少で100ドル前後の値上げも? 出そろったうわさを整理する (2026年07月19日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. ショップとAIで差別化を図る「ドコモの銀行」――住信SBIネット銀行ユーザーからは戸惑いも (2026年07月19日)
  7. 携帯番号に「060」が採用されるワケ 「電話番号とは何か」を歴史とともに振り返る (2024年10月09日)
  8. iPhoneやApple Watch一斉値上げ 17無印は14万2800円に、17eは10万円超え 加速する中古スマホ特需 (2026年07月18日)
  9. “特典終了”が続く「d払い」「dポイント」のお得さはどう変わるのか これからは「dカード」の利用が得策? (2026年07月17日)
  10. ミドルハイレンジモデルにも水冷搭載 nubiaから「Neo 5 GT Special Edition」登場 (2026年07月19日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー