シャープが10月3日発表した「AQUOS sense8」はどこが進化したのか。前世代モデルAQUOS sense7との違いを細かく比較する。
AQUOS senseシリーズは、累計出荷台数が1000万台に達したシャープの看板商品だ。日本市場のニーズに特化した設計で、横幅71mmというコンパクトなサイズ感に仕上げている。
新製品「AQUOS sense8」の改良点は、以下の6つに集約される。
このうち、シャープが推している目玉機能は「カメラとがっつり使える電池持ち」だが、ディスプレイが90Hz駆動の滑らか表示になった点や、サポート期間が最大5年に延長された点も見どころといえる。
アルミ素材の質感を生かしたボデーは、従来のAQUOS senseシリーズのイメージをそのまま踏襲している。シリーズ定番カラーの「ライトカッパー」は、Sense7のそれより比べるとわずかに赤みが抑えられている。
ブラックは、紺色系のコバルトブラックとなり、新色としてペールグリーンが加わる3色展開となっている。
Sense8はわずかに大きくなっている。サイズは約71mm(幅)×153mm(高さ)×8.4mm(奥行き)で、Sense7比で高さと幅が約1mm、奥行きが0.4mm拡大された。
外観で違いが分かるのは指紋センサーの配置だ。AQUOS sense8は右側面の中央寄りの配置になり、親指でのロック解除がしやすくなっている。
Sense8のバッテリー容量は5000mAh。Sense7と比べると430mAhと大幅に増量されている。
これに対して、重量はAQUOS sense8が約159gだ。前世代モデル比で1g増と、ほぼ変わっていない。シャープはバッテリー容量5000mAh台のスマートフォンとして「世界トップ級の軽さ」をうたっている。
アルミフレームの内部構造を切り詰める軽量化の積み重ねにより、従来機と同等の重さを実現したという。
ダウンロードした動画を再生するパターンでの電池持ちは最大39時間としている。AQUOS sense7の30時間と比べると9時間延長されている。
実際の使用シーンを想定した検証では、90Hz駆動のディスプレイにより、電池持ち時間はやや短くなる。ヘビーな使い方をした想定では、1日10時間利用して、2日間の電池持ちをうたっている(動画再生4時間、音楽3時間、SNS2時間、ゲーム1時間で計10時間×2日)。
バッテリー劣化を防ぐ機能として、充電時にバッテリー容量を90%までで充電を止める「インテリジェントチャージ」を搭載しており、3年後も90%の電池容量を維持するとしている。
画面サイズは6.1型で、解像度はフルHD+(1080×2432ピクセル)となっている。
今回は、横幅70mmクラスのAQUOS senseシリーズとして初めて、90Hz駆動のIGZO有機ELディスプレイを採用している。黒フレームを補完することで、疑似180Hz駆動も可能となっている。
実際に使い比べて違いが分かりやすいのは、この部分だろう。スクロール表示が滑らかになるため、X(旧Twitter)のようなSNSを快適に閲覧できる。
背面カメラは標準5030万画素と広角800万画素の2眼構成だ。標準側には全画素を使う位相差オートフォーカスに対応しており、新たに光学式手ブレ補正(OIS)を搭載している。OISは、ミッドレンジモデルでは珍しい機能で、夜間の撮影や動画撮影時での画質改善に効果が期待できる。
望遠カメラは搭載していないが、画像の中央部を切り取ることで解像感を維持する、光学2倍相当のズームにも対応している。
画像処理エンジンはProPix5に更新されている。広角カメラでのHDR撮影時に複数枚のRAW画像をベースに処理を行い、画質改善を期待できるという。
カメラの操作体系では細かな改善が加えられている。今回新たに、シャッターボタンを画面内の好きな位置に配置できるようになった。片手操作で撮影しやすくなるとしている。
インカメラは引き続き、800万画素を搭載する。
AQUOS R8 pro/R8で投入された、デジタルカメラのレンズフィルターを装着できるケースのAQUOS sense8版も発売される。エレコム製で、レンズフィルター用のポーチを装着する機能が追加されている。
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