Xiaomiが期間限定体験スペースを渋谷にオープン 狙いは常設ストアの展開か

» 2023年12月07日 06時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 Xiaomi製品を一堂に集めたポップアップスペース「Xiaomi Smart Holidays from “mi” to you!」が2023年12月5日から17日まで、東京・渋谷に期間限定オープンしました。Xiaomiが日本で直接製品の展示・販売を行う場所を開業したのは今回が初めてです。海外では世界各国で店舗展開をしているXiaomiですが、日本でもいよいよ「Xiaomiストア」がオープンするかもしれません。

Xiaomi 渋谷のHz SHIBUYAにオープンしたポップアップスペース

 今回のポップアップスペースではXiaomiが日本で販売しているスマートフォンやスマートTV、IoT製品などを展示しています。展示されている製品を見ると、スマートフォンは3機種、タブレット2機種、ウェアラブル製品が7種類、それに加えてスマートTVが4機種、モニター2製品、さらにスマート家電関連が6製品と、気が付けばXiaomiはかなりの数の製品を日本で展開していることが分かります。

Xiaomi 国内展開製品の展示エリア。製品は結構多い

 Xiaomiの製品は一部はキャリアや量販店で扱いがあるものの、オンライン販売だけというものも多くあります。実際に製品を手にして試してみたいという人にとって、このポップアップスペースでは製品をじっくりと試せる絶好の場所です。

Xiaomi Xiaomi 13T Proのカメラ性能もじっくりテストできる

 また海外でのみ販売中の「Xiaomi Electric Scooter 4 Pro」と「CyberDog 2」も参考展示。特にCyberDog 2は中国のみで販売されているものの、実物はなかなか見ることができません。この体験スペース会場ではXiaomiの先進的な製品を見ることもできるのです。

Xiaomi Xiaomiのロボット製品「CyberDog 2」

 今回のイベントは体験スペースという位置付けですが、ウェアラブル製品などはその場で販売も行っています。5000円以上の購入でコインが3枚もらえ、スマートTVなどが当たるガチャを回すことができます(1コイン1回)。他にもアンケートに答える、フォト体験コーナーで自分の写真を撮ることでコインが1枚もらえます。

Xiaomi Xiaomi 13Tシリーズを使った撮影体験コーナー

 今回のポップアップスペースは渋谷という若者も多く集まる街で展開しており、場所も悪くないことから、ふらりと立ち寄って店内に入ってくるお客さんもよく見かけました。Xiaomiのことは知らなくても、ちょっとオシャレなデザインの家電を見て興味を持ったり、スマートフォンを手にしたりして「カメラがいいね」という声が聞かれるなど、製品体験の場としてうまく機能していると感じました。

 スマートフォン好きな人にとってXiaomiはよく知られたブランドでしょうが、一般的な日本人にとってはまだまだなじみのないメーカーでしょう。どんんなに性能がよくても、あるいはコスパがいいとしても、実際の製品を触ってもらった方がその魅力はすぐに伝わります。

Xiaomi スマートバンド「Xiaomi Smart Band 8」の交換ベルトも実物を見ることができる

 また、外国人のお客さんもちらほらと立ち寄っている姿を見かけました。海外のXiaomiストアで見かけるオレンジ色のロゴを見て「何かないかな」と店に入ってきたようです。訪日外国人観光客には「日本にもXiaomiの店がある」と知ってもらうことができ、Xiaomiがグローバル展開しているメーカーであることを改めて印象付けることもできるわけです。

Xiaomi オレンジの「mi」ロゴは海外ではおなじみだ

 海外メーカーの独立店舗としては、サムスンが原宿に大型店を構えています。当初はK-POPブームに引かれてやってくる客が大半だったようにも思いますが、最近では来店客の中にGalaxyスマートフォンを持っている人が増えるなど、製品とブランドの浸透という点で一定の効果を上げているように感じます。Xiaomiのポップアップスペースも同様に、今回初めて来店してXiaomiを知ったお客さんにも、少なくともオレンジ色のロゴくらいは記憶の隅にとどめてもらえるかもしれません。製品を実際に触ってもらったお客さんには、スマートフォンや家電などを展開しているメーカーであることを多少なりとも知ってもらえたかと思います。

Xiaomi 製品を体験してもらうことで認知度を高められる

 2010年創業のXiaomiは、当初スマートフォンの販売はオンラインのみで行っていました。その後ショップ兼サポートセンターである「小米之家」を展開したときも、駅からは近いが家賃の安いビルの2階以上に入店するなど、オフライン販売にはあえてコストをかけていなかったのです。しかし2015年に販売数が失速すると、2016年以降はオフライン販売を強化しショッピングモールなどに見栄えのいい店舗を積極的に拡大しました。

 海外店舗も合わせて増やし、今ではアジア、欧州、インド、中東、アフリカなど多数の国に出店しています。Xiaomi製品を販売しながらXiaomiストアがないのは、恐らく日本と韓国くらいだと思われます。とはいえ今回の体験スペースでは一部製品の販売が行われました。

Xiaomi 今回の体験スペースでは一部製品の販売も行っている

 約2週間だけという短期間開催のポップアップイベントでしたが、これは将来の「Xiaomiストア・日本」開業に向けての準備も兼ねていると考えられます。日本のスマートフォンビジネスはキャリア主導だったこともあり、Xiaomiが直接消費者に製品を提供する場を展開することは容易ではありませんでした。しかし海外で展開しているように店舗を出すにしても、海外と同じやり方ではうまくいかないのは明白です。

Xiaomi 来店客の声はストア展開時のヒントになる

 日本の消費者がどのようなものを求め、あるいはどのようなことを気にしているのか、さらに一部製品を販売することで顧客対応をどうするべきかなど、今回のポップアップスペースから得られる情報が店舗展開の手助けになることは間違いありません。Xiaomi製品の魅力をより多くの人に知ってもらうことは、製品販売の拡大につながります。今回のイベントが成功すれば、2024年以降は新製品発表に合わせて同様のイベントを開催するかもしれませんね。そしていずれはXiaomiストアが日本に開業する日が来ると期待したいものです。

Xiaomi 2024年こそはXiaomiストアが日本にできることを願いたい

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月06日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  3. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  4. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  5. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  6. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  7. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  8. ドコモが「dアカウント」のパスワードレス認証を「パスキー」に統一 2026年5月めどに (2025年12月05日)
  9. NHK ONE、簡単には「閉じられないメッセージ」表示へ 目的は“NHK受信料”の徴収 なぜ強引な仕様に? (2025年11月12日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー