Xiaomi Japanが9月27日に発表会を開催し、スマートフォン、タブレット、スマートバンド、スマートテレビ、ロボット掃除機を一挙発表した。この中で目を引いたのが、通信キャリアとの協業だ。スマートテレビの「Xiaomi TV A Pro」は4種類ものサイズを用意し、KDDIが独占販売する。スマートフォンの「Xiaomi 13T Pro」はグローバルとほぼ同時の発表となり、国内キャリアではソフトバンクが独占販売する。
Xiaomiは国内ではキャリアやMVNOなどのパートナーの戦略に合致するデバイスの開発に注力し、スマートフォンだけでなく家庭の中で活躍するIoT家電も積極投入していく。そんなXiaomiの今後の戦略について、Xiaomi Japanの大沼彰社長とXiaomi Japanプロダクトプランニング本部 本部長の安達晃彦氏にうかがった。
―― 7製品を発表した全体的な狙いを教えてください。
大沼氏 スマートフォンからテレビから、ウェアラブルまで、いろいろな製品を発表しましたが、事業者さんとの背景が大きい。ソフトバンクさんやKDDIさんとのビジネスが1つ。今までならスマートフォンだけで終わっていましたが、メーカーが発表しても、すぐにトーンダウンしてしまう。われわれは、オープンマーケット、そしてMNOさんやMVNOさんの方針に沿った商品をご提案していきます。
―― 2022年は「神ジューデン」対応の「Xiaomi 12T Pro」の発表がありましたが、こちらはソフトバンク主催でしたね。Xiaomi主催の(リアルでの)発表会は4年ぶりでした。2023年にこれまであまりメッセージを出してこなかったのは、キャリアとの交渉などの下準備を進めていたからでしょうか。
大沼氏 それが一番大きかったと思います。神ジューデンは、ソフトバンクさんのおかげで、Xiaomiが元気であることをお披露目いただけた。じゃあその後、どうしていくのかと、いろいろなことを考えた。でも、考えて商品がすぐ右にあるわけではないので、各事業者さんやMVNOさんと1年間検討して、ようやくこの秋から年末に出そろうというのが正直な背景です。
―― これまでは、グローバルで発表されたものを立て続けに日本でも発表されてきましたが、2023年に関しては、スマートフォンはエントリーモデルの「Redmi 12C」の発表にとどまっていました。スマホのラインアップ選定は慎重になっているのでしょうか。
安達氏 昨年(2022年)、けっこう商品を出したところもあり、結果として2023年上期は少し棚卸しの時期になっていたのかなと。ただ、発表会でご覧になっていただいた通り、2機種のハイエンド、エントリーモデルを発表したので、2023年トータルで考えると、十分な商品を提供できると思っています。お客さんはスマートフォンを軸に入られる方が多いので、そういう印象が強いのも理解できるのですが、IoT機器は月1くらいで出しているので、われわれとしては継続している感じはあります。
あと、2〜3月に開催されたMWC(Mobile World Congress)に私も足を運んだのですが、グローバルのXiaomiを肌で感じられました。そのときはXiaomi 13シリーズを発表しましたが、それ以上にブースがさまざまな家電製品であふれていました。Xiaomiが形作っているスマートホームを、「日本でもぜひ展開していこう」と感じ、今回のストーリーにもつながってきています。
―― となると、スマートホームを家の中でどう使ってもらうかという見せ方が重要になってくると思いますが、Xiaomi専門のショップはまだ先にしても、例えば量販店などでXiaomiのコーナーを作って、リアルな店舗で訴求することは検討しているのでしょうか。
大沼氏 そこをどうするかは、いろいろな考え方があります。日本でブランドが低いのはまだ事実。Mi-Home(海外で展開しているXiaomiの直営店舗)みたいなものもあれば、量販店での見せ方もあると思います。まずは今やるべきことをやり、次の段階で考えていきたい。
―― 販路としてECサイトや量販店もあると思いますが、量販店でリアルな展示も行っているのでしょうか?
大沼氏 しているところもありますね。われわれが直接やっているというよりは、流通の代理店さんを通してやっているということです。ECでは直接やっていますし、代理店を通しているところもありますが、日本の流通は難しいので、皆さんからお力を借りているところです。
―― ECは直営店もあれば、Amazonや楽天市場もある。そこは環境が整ってきているということでしょうか。
大沼氏 そうですね。それはグローバルの時代から、各所としっかり関係を構築しておりますので。
―― Amazonで実施しているセールをよく取り上げますが、Xiaomi製品のセール記事がよく読まれています。こうした施策も意識しているのでしょうか。
大沼氏 そこは一番得意な分野だと思っていますし、そうした部隊も社内にいますので、しっかりやっていきたいと思います。
安達氏 「Redmi Buds 4 Active」という商品をAmazon専売で展開していまして、「値段がバグだ(笑)」といわれてご評価いただきました(※Amazonで税込み1990円)。
ああいったTWS(完全ワイヤレスステレオ)のようなラインアップが多くあると、販路の提携は今後もやりやすいと思います。
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