ANAホールディングス傘下でメタバースなどの事業を手掛けるANA NEOは12月11日、“バーチャル旅行”が可能なプラットフォーム「ANA GranWhale」を発表した。ユーザー自身のアバターが仮想空間を歩けるため、まるで実際に旅行しているかのような体験が可能だ。ANAのマイルをためてアバターの服やデジタル商品の購入に充てることもできる。
ANA GranWhaleはApp StoreとGoogle Playを介してアプリとして配信する。対応OSはiOS/Androidだ。
ユーザーは仮想空間に設けられたV-TRIPで旅をしたり、Skyモールで買い物をしたりできる。V-TRIPではガイドの説明を参考に観光名所をまわることが可能だ。Skyモールではショップが建ち並ぶ仮想空間でショップの店員と会話をしたり、購入した商品を自宅に届けてもらったりできる。
V-TRIPには京都府、京都市、北海道、星野リゾートトマム、沖縄県、横浜赤レンガなどが協力し、Skyモールには伊藤園、化粧水などを手掛けるイプサ、衣類販売のシップス、ベイクルーズ、ミズノ、ムラサキスポーツなどが出店する。
航空機利用や日々の買い物などでためることが可能なマイルは、ANA GranWhaleでも活用できる。ANAマイレージクラブ会員は、現実空間でためて使えるマイルをANA GranWhaleで使用可能なVマイルに交換して、アバターの服やデジタル商品の購入に充てることが可能だ。Skyモールなどで獲得したグランチップをためるとマイルガチャに挑戦でき、アバターの服やアイテムに交換することもできる。
ANA NEOはANA GranWhaleを日本、台湾、香港、タイ、フィリピン、マレーシアで提供し、仮想空間でできることをユーザーとともに考えていく構想も明らかにしている。コロナ禍で耳にする機会が増えた仮想空間。企業とユーザーのコミュニティーが仮想空間で形成され、実体験に近いことがサービスとして盛り込まれると、仮想空間を軸にしたプラットフォームの真価が発揮されるはずだ。
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