ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天が2024年年頭所感を発表 ネットワーク品質やAI活用が注目される年に

» 2024年01月05日 11時15分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天の社長が2022年の年頭所感を発表した。

 2023年は電気通信事業法に関するガイドライン(総務省令)が改正され、端末の販売手法が注目された。割引額は4万4000円〜8万8000円の機種が半額まで、4万4000円までの機種が2万2000円までとなった他、端末単体の割引に規制がかかった。

 また、ネットワーク関連ではドコモのネットワーク品質が著しく低下した点が取り沙汰され、ドコモとしてもこれを認め品質改善に向けた動きも注目された。こうした2023年の動きを踏まえ、MNO4社は2024年、どういった展望を持つのか。

NTTドコモ:グループ一丸で取り組むネットワーク品質の改善

ドコモ KDDI ソフトバンク 楽天モバイル 年頭所感 NTTドコモの井伊基之社長

 NTTドコモグループは、2023年までの3年間、法人ビジネスやソフトウェア開発力強化に向けた、NTTドコモ・NTTコミュニケーションズ・NTTコムウェアの再編、中小法人営業の強化に向けたソリューション&マーケティング本部設立と全国営業体制の構築、スマートライフ事業の社内カンパニー化、5つの地域ブロック制の導入など、これからのビジネス拡大に向けた土台を構築した。

 一方で、2023年1月以降、ドコモで通信品質の著しい低下が目立ち、渋谷や新宿などの繁華街でつながりづらくなった。「ユーザーから厳しい評価をいただいた」とするドコモは、大都市を中心とした全国2000カ所と鉄道動線での緊急対策を2024年3月までに完遂するため、「NTTドコモグループ一丸となって、ネットワーク品質の信頼を取り戻す」としている。

 金融サービスやマーケティングソリューションなどの新たな事業領域の開拓や、web3などの新しい技術を活用するなどして、「信頼と感動のドコモ」に生まれ変わる年にしたいという。

KDDI:体感品質を徹底的に磨く 生成AIの活用も

ドコモ KDDI ソフトバンク 楽天モバイル 年頭所感 KDDIの高橋誠社長

 KDDIは、事業戦略として掲げる「サテライトグロース戦略」について、客観的なデータを基点とし、判断・アクションを起こす「データドリブン経営」の実践と生成AIの積極活用を両輪として、ビジネスの質的向上と量的拡大を目指す。

 中核の事業である通信事業については、2022年7月に引き起こした通信障害を踏まえ、「体感品質を徹底的に磨く」としている。

 事業成長が見込まれるDX、金融、エネルギーの分野については、パートナー企業との連携や、通信事業とのシナジー最大化などに注力し、成長に拍車をかけたい考えを示す。

 価値の創出に関して、同社は生成AIのプロンプトになぞらえ、「リーダーシップや、企業全体がプロンプト(指示)能力を高め、提案力を伸ばし、価値を生み出すことが重要」との考えを示す。その生成AIは、auの「三太郎」シリーズ新年版の制作にも活用されているという。

ソフトバンク:通信品質で高い評価を得る 国産の大規模言語モデル(LLM)の開発も

ドコモ KDDI ソフトバンク 楽天モバイル 年頭所感 ソフトバンクの宮川潤一社長

 ソフトバンクは、AIの技術が進歩し、ChatGPTなどが日常生活に浸透したことを挙げ、2023年を「人類とAIが共存する新時代の始まりを告げた年」と振り返る。ソフトバンクとしては、ChatGPT対抗の“和製ChatGPT”の開発を表明していた。

 一方で、通信分野においては、携帯電話料金の値下げによる苦しい時期を乗り越え、「反転攻勢に転じた」としている。新料金プランとしてソフトバンクでは「ペイトク」、Y!mobileでは「シンプル2」を提供し、LINEヤフーとの連携を図り、モバイル事業の売上の反転に動いている。

 通信品質については、他社の品質低下が大きく注目された一方で、英Opensignalの調査ではソフトバンクが高い評価を得た。今後高まる需要に対応すべく、「さらなる品質向上」を目指すという。

 2024年は、同社にとって「AI共存社会を支える次世代社会インフラの整備を進める年」となり、2023年秋に本格的に稼働を開始した計算基盤を活用し、3500億パラメーターの国産の大規模言語モデル(LLM)の開発や、北海道での国内最大級のAIデータセンターの建設など、これまでの構想が形となっていく。

楽天モバイル:グループの年間売上は2兆円を超える見込み サービスやデータをAIと組み合わて効率化を図る

ドコモ KDDI ソフトバンク 楽天モバイル 年頭所感 楽天モバイルの代表取締役会長の三木谷浩史氏

 楽天グループは、2023年を「大きな変化と目標の達成があった年」と振り返る。モバイルでは、「Rakuten最強プラン」を提供し、回線の契約数が600万回線を超えている。海外でも大きな動きがあった。楽天シンフォニーがネットワーク構築を支援するドイツの「1&1」が、12月8日(現地時間)に携帯キャリアサービスを始めた。

 また、楽天の強みでもある「楽天銀行」「楽天カード」とモバイルが事業が相互に影響し合い、「国内ECの売上総額を大幅に伸ばした」としている。楽天グループとしての年間売上は2兆円を超える見込みで、収益改善も「着実に進んでいる」という。

 同グループは「2024年にAIが事業全体でさらに重要な役割を果たす年になる」と予測。これを見越してOpen AI社が同グループの戦略パートナーに参画した。同グループが2024年に始動させる「トリプル20」プロジェクトでは、「楽天エコシステム」のサービスやデータをAIと組み合わせて、「マーケティング、オペレーション、クライアントの効率を20%向上させることを目指す」としている。

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