vivo X100 Proもグローバル展開するサムスン電子のGalaxy Sシリーズにぶつける端末なだけあって、完成度は非常に高く仕上がっている。今回はデザインも洗練されていることもあり、他社のフラグシップといわれるスマートフォンの中でも存在感を示している。
vivo X100 Proのカメラはさらに進化を遂げた。より最適化されたイメージセンサーと最新プロセッサの組み合わせによって、高度かつ高速なHDR処理を可能にしている。そんなマクロ機能などからも「撮影体験が楽しいカメラスマホ」だと感じた。
ハードウェアに関しても、高い望遠性能という独自性を持ち合わせており、他社の競合機種とも差別化が図られている。「ツァイスコラボの高いカメラ性能を持つスマホ」として認知も広まりつつあり、市場の評価も変わり始めている。同じ中国メーカーのスマホで競合となるXiaomiとは異なる路線だが、簡単かつキレイに撮れるカメラを目指して進化を遂げたと感じられる。
それでありながら、価格は非常にお手頃だ。Galaxy S23が799米ドル(12万円前後)、上位モデルのS23+が999米ドル(15万円前後)だが、中国向けのvivo X100は3999元(8万1000円)から、vivo X100 Proが4999元(約10万2500円)からに価格を抑えている点は好感が持てる。
競合他社の製品と比較しても、vivo X100 Proは高いレベルに仕上がっており、スマートフォンの進化を感じさせる。価格帯を見ても「Galaxy S23+」「iPhone 15 Plus」のような機種が比較対象となるが、今回は各社の最上位モデルとも対等の勝負ができたため、相対的なコストパフォーマンスは高いと評価できる。
これからのvivoのスマートフォンの展開にも目が離せなくなった。同社ではまだ「最上位モデル」が出ておらず、例年通りであればよりカメラ性能を強化した「vivo X100 Pro+」にあたる機種が近いうちに登場する可能性が高い。
そのため、現状のフラグシップでこのクオリティーなのだから、この上を行く機種とは一体どんなものなのか? という期待せずにはいられない。2023年発売の「X90 Pro+」も期待を裏切らない性能だったことから、今回のX100シリーズに対する期待値はとても高い。
また、vivo X100 Proは中国のみならずグローバル展開も行う。同社がツァイスとコラボしてのグローバル展開は4世代目となり、vivoのスマートフォンは「カメラ性能が高い」とさらに印象づけられるはずだ。独自チップによる高度な処理、夜景撮影時の高い性能、高性能なレンズ設計を取り入れるなど、カメラスマホとしてトレンドリーダーの一角となりつつあるvivoのスマートフォン。近いうちに登場するであろう最上位機種をはじめ、各社のカメラ構成などに影響を与えるメーカーとして、今後も注目していきたい。
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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