Xiaomiは2023年12月、日本向け仕様の最新ハイエンドモデル「Xiaomi 13T Pro」の販売を開始した。このモデルは、台湾MediaTekの最新ハイエンドチップ「Dimensity 9200+」を搭載し、日本では多くのハイエンドAndroidが採用するQualcomm製「Snapdragon 8 Gen2」に真っ向から対抗するモデルに仕上がっている。
2024年の日本スマホ市場は、2023年末の総務省のガイドライン改正により、ハイエンドでも割引上限4万円(税込み4万4000円)の対象となる8万円前後のモデルが人気を集める可能性がある。一部メーカーでは1世代前のSnapdragon 8+ Gen 1搭載で価格を抑えたモデルを投入している状況だ。Dimensity 9200+を搭載したXiaomi 13T Proは、現行ハイエンド機が搭載しているSnapdragon 8 Gen2に対抗できる性能を実現している。
SIMフリー版は直販価格10万9800円、実売価格は10万円を切ることもあるなど、高性能ながらも価格を抑えている。ソフトバンク向けは11万1600円だが、総務省の新規制に合わせた割引や「新トクするサポート」を利用して購入可能だ。
この、日本でのハイエンドスマホ市場で新たな風になるかもしれないXiaomi 13T Proについて、Dimensity 9200+の性能にも注目しつつ詳しく見ていこう。
Xiaomi 13T Proの主な特徴は、Dimensity 9200+搭載の他、ソフトバンクが“神ジューデン”として売り出している最短19分で100%の急速充電に対応。カメラは大型の5000万画素1/1.28型センサーカメラに加えて、5000万画素の2倍望遠や超広角カメラを搭載。海外向けはカメラメーカーのライカ監修モデルとして販売されているだけに、日本向けのライカ監修なしのモデルでも期待が持てる。IP68の防水・防塵(じん)性能や、ディスプレイ内蔵指紋センサーと顔認証に対応。日本向けにFeliCa・おサイフケータイにも対応している。
ディスプレイは6.7型で解像度1220×2712ピクセル、最大144Hz表示の有機ELを採用。最大輝度は2600ニトだ。HDR10+やDolby Visionにも対応。周囲の照明に合わせて色温度を合わせる、アダプティブカラーも利用できる。
実際の操作時は自然な発色で、HDRムービーの再生時は明るく高コントラストな映像をみせてくれる。屋外での操作時も画面が明るく見やすい。スピーカーはステレオで利用には十分な音量だが、近年のスピーカーにこだわった最新ハイエンドスマホと比べると、音の広がりや迫力はやや物足りない。
カラーは3種類で、ブラック、メドウグリーンの背面はガラスを採用。サイズは約76(幅)×162(高さ)×8.5(奥行き)mm、重量は206g。アルパインブルーのみ背面にヴィーガンレザーを採用し、手になじむ質感となっている。こちらはサイズが若干異なっており、約76(幅)×162(高さ)×8.6(奥行き)mm、200gだ。いずれも画面サイズが大きいながらも、手のひらへの収まりは良好だ。重量200g台ながらも腕への負担は少ないという印象を受けた。
背面デザインを見るとカメラが2つしかないように見えるが、実際にはLEDライトの横に超広角カメラが搭載されており合計3つだ。SIMはnanoSIMスロットが1つで、eSIMとのデュアル運用が可能。USB Type-C端子はUSB2.0対応で、有線での画面出力はできなかった。
なお、本体デザインやディスプレイ、カメラ性能はauやUQ mobileから販売されている「Xiaomi 13T」と同じだ。違いはXiaomi 13Tのプロセッサ性能がミドルハイクラスの「Dimensity 8200-Ultra」で、Wi-Fiが6Eではなく6ということと、付属の急速充電器が67Wという点ぐらいだ。最高性能を求めるゲーマーでなければ、キャリアモデルだが7万4000円とより安価なこちらを選ぶ手もある。
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