「消しゴムマジック」はPixelだけではない! GalaxyやXiaomiの“消しゴム”機能と比較してみた(1/3 ページ)

» 2024年01月22日 10時00分 公開
[佐藤颯ITmedia]

 近年、「Google Pixel」シリーズ(以下、Plxel)の「消しゴムマジック」が、スマホの新機能として話題を集めているが、似たような機能が他社のスマートフォンにもあることをご存じだろうか。今回は他社の同様な機能と消しゴムマジックを比較してみることにする。

実は“消しゴムマジックのような機能”はPixelが初めてではない

 初めに、Pixelなどで利用できる消しゴムマジック簡単に説明しよう。これは写真の背景に写る不必要な人物やオブジェクトを消去するスマートフォンの編集機能だ。PixelではAI性能の高さを生かして「人物」などの被写体検出を行い、一括消去、または任意で選択して消去できる機能だ。

 特段難しい操作や編集画面の深い階層にあるものではなく、自動で検出してくれる点が特徴だ。ギャラリーで確認時にAIが被写体の背景に映る人物などを検出すると「消しゴムマジックを利用するか?」というメッセージが出るなど、埋もれさせない工夫もされている。

 さて、この手の機能をたどってみると、著名なものは2013年発売の「HTC One M7」がある。「オブジェクト削除」と称する機能で背景の通行人を削除することが可能で、当時「スマホ時代の新しいカメラ」と評された。一方で、この世代のスマートフォンではまだ高度なAI処理ができないため、本機種では複数枚連写し、通行人のいない部分を合成して出力する力技で可能にしている。そのため、静止している通行人や別機種で撮影した写真では削除できなかった。

 本格的にAI処理を推してアピールしてきたのは、Huaweiの「ゴールデンスナップ」機能だ。これはAI処理を担当する高性能な「NPU」を採用した「Kirin 990 5G」が可能にした。

 同社は2017年の「Mate 10 Pro」に採用された「Kirin 970」にて世界初のNPU搭載SoCを開発。他社製品よりも早くこの手の機能を出せた背景には、自社開発による自由度の高さや画像認識、画像処理のノウハウが多く蓄積されていたからと考える。

消しゴムマジック この「ゴールデンスナップ」では通行人の消去、影や反射、映り込みの除去も可能だ。発表会でも大きくアピールされた

 翌2021年のSamsung「Galaxy S21」シリーズにて「オブジェクト除去」という機能が追加された。これも消しゴムマジックに近い機能で、被写体を検出して削除できるものだ。その中でも「AI消しゴム」機能は最もPixelの消しゴムマジックに近い機能と評価できる。

 これらの機能は旧モデルもアップデートで対応したが、対応機種は「Galaxy S20」以降となり、AI性能が向上した「Snapdragon 865」クラスの性能が求められた。

 この年に「Google Pixel 6」が発表され、消しゴムマジックも合わせて発表された。これ以降はOPPO、vivo、Xiaomiなどが同様の機能をスマートフォンに搭載したが、どちらかといえばSamsungやHuaweiを意識した機能面のアピールが強い。

 直近ではXiaomiの「Xiaomi Magic eraser」(MIUI 13以降で利用可能)が「Xiaomi 14」世代で大幅に強化されたことが明かされている。これを可能にしたのが、最新の「Snapdragon 8 Gen 3」による高い画像認識性能だ。

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