「消しゴムマジック」はPixelだけではない! GalaxyやXiaomiの“消しゴム”機能と比較してみた(3/3 ページ)

» 2024年01月22日 10時00分 公開
[佐藤颯ITmedia]
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Googleが他社に対して一歩先を行く印象

 今回比較した3機種の中では、Pixel 8 Proが他社よりも一歩先行していると感じた。その理由は被写体を自動で検出すること。スマホ側から提案してくることだ。まずPixel 8 Proの消しゴムマジックでは撮影後に自動的に人物を検出して消すかどうか判断を問いかけてくる。実のところ、ここまでやってくれる機能は他社のスマートフォンには備わっていない。

 実際、今回比較した中で被写体の自動検出を行ったのはPixel 8 Pro以外ではXiaomiのスマートフォンのみで、Galaxy S23 Ultraでは消去したい人混みをタップして選ばなければならなかった。これはHuawei、vivo、OPPOのスマートフォンにも似たような機能こそあるが、被写体の自動検出は行われていない。あくまで利用者が編集したい部分を選択し、それに対してAI処理による図ん物消去が行われる形だ。

消しゴムマジック Xiaomiの「Magic eraser」は日本で発売されている「Xiaomi 13T」シリーズでも利用できる

 この被写体自動検出に加えて、Pixel 8 Proでは消しゴムマジックが特定の被写体では編集項目のトップに出てくる。利用者によっては「おせっかい」「余計なこと」と感じる人もいることだろう。しかし筆者は、この「おせっかい」こそが他社に対してGoogleが一歩先ゆく考えだと感じた。

 他のスマートフォンは写真を撮影した後に「この人混みを消したい」という意思のもとで、スマートフォンに備わっている編集機能を利用する。一方、Pixel 8 Proでは撮影した後にギャラリーで確認をすると、初回はスマートフォン側から「背景の人物を消す」という表記が出てくる。これをタップすると自動的に被写体検出、背景人物の消去が行われる。

 流れとしては、スマートフォン側から利用者に対して背景の人物を消した画像を提案してくるのだ。これは利用者の編集意思に頼る他社のスマートフォンとは異なるアプローチで、スマホの提案に対して利用者が適切か判断を下すようなものだ。

消しゴムマジック 一見おせっかいかもしれないこの機能だが、「消しゴムマジックの機能」に対して利用者に気付きを与えるという観点では非常に有効だ

 それ以外でも、人混みを認識すると編集項目のトップに消しゴムマジックの表記が出ることから、明らかに選択してる画像を認識して機能を提案してくることが分かる。この他にも手ブレのあるものについては「ブレ補正」も合わせて表示されるなど、利用シーンにおいて適切なものを常に目に見える位置へ持ってきてくれるのだ。

 AI処理については多くのビッグデータが必要と指摘されているが、Googleの場合は「Google フォト」のデータを元に膨大なビッグデータを構成している。だからこそ、高度な画像認識や画像処理がスマートフォンでも可能と考えられる。

消しゴムマジック
消しゴムマジック Pixelでは人混みなどを検出すると消しゴムマジックの項目が上位に出てくるが、建物を検出するとこの項目は出てこなくなる

 ここまで、消しゴムマジックから他社のスマートフォンと比較してきたが、画像検出と背景処理については、競合他社も高いレベルに仕上げてきていることが分かった。それ以上にGoogleの考えるAI処理が、他社のスマートフォンよりも一歩先行くものだと実感できた。スマホ側から提案する考えは、人間のクリエイティビティを必要とする編集とは真逆の考え方だが、より手軽さを追求していくとなれば、このようなスマートフォンが今後出てくるものと考える。

 特に2023年発売のPixel 8シリーズに関しては高度なAI処理に磨きをかけ、消しゴムマジックは画像のみならず音声にも利用できるようになった。画像編集にも編集マジックが追加され、高度な画像検出を用いた各種品種が可能になった。

 既に写真や画像の AI補正は当たり前になりつつある今、Pixelの消しゴムマジックをはじめとした「画像補正」は、次の時代の当たり前になっていくのではないかと考える。そのような意味で2023年のPixel 8シリーズは「AIスマホの次代の幕開け」的な存在になるのかもしれない。

著者プロフィール

佐藤颯

 生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。

 スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。

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