「Apple Music Classical」の強みは圧倒的な検索機能 “プチストレス”から解放され、初心者もクラシックファンも満足(3/3 ページ)

» 2024年02月01日 14時00分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]
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アーティスト自身が楽曲をナレで解説

 「今すぐ聴く」内の「トラック・バイ・トラック」も、楽曲の魅力を深掘りしたい人におすすめしたいコンテンツだ。演奏家自身がナレーションで自身の作品を解説している。

photo 「今すぐ聴く」の「トラック・バイ・トラック」では、アーティスト自身が作品を解説。音楽表現の英語の使い方の参考になる

 ナレーションは基本英語なので、英語が苦手な筆者は、内容を理解するのに何度か聞き返す必要があるが、その上で楽曲を聴くと「そういうことなのね」という発見がある。美術館で音声ガイドを聞きながら展示物を鑑賞するようなイメージだ。

 コンテンツにもよるが、楽曲の背景、演奏者としての思い、録音時の裏話などが語られている。まさに独自コンテンツの面目躍如といったところだ。英語が聞き取れなくても、日本語の要約解説も文章で読めるので、それを読んで聴くだけでも楽曲への理解が深まる。

 他にも、メインメニューの「見つける」では、「作曲者」「時代」といった、カテゴリーがある。「時代」では「中世西洋」から「バロック」や「ロマン派」を含みつつ、時系列に「21世紀」までがカテゴライズされている。

 筆者の場合「中世西洋」などは知識もなく、普通では聴く機会がないが、このようにして、カテゴライズされていると楽曲をザッピングしながら聴くことができるので、琴線に触れる楽曲に出会え、うれしくなる。

photo 「見つける」には「作曲者」「時代」などのカテゴリーがある。「時代」内では「中世西洋」から「21世紀」までが時系列にジャンル分けされている

 「時代」カテゴリーにおいて、現代に向かい時代を進めながら聴いていくと、今さらながらにバロック時代のヨハン・セバスチャン・バッハが「音楽の父」と呼ばれる理由が理解できる。それ以前との比較において、完成された対位法や和声の響きから、このタイミングで音楽理論が高度化されていることがひと目(耳)で感じ取れる。

 「見つける」には他にも、「アーティストの代表曲」「作曲家たちの知られざる作品」といった特定のジャンル分けされたプレイリスト、楽器別の作品紹介などがあり、すてきな出会いを演出してくれる。

「ステレオを空間化」でイマーシブオーディオ化

 Apple Music Classicalを楽しむには、上記の他にもさまざまな方法がある。クラシック音楽の録音やアルバム制作をなりわいにしている筆者だが、あらゆる作品を専門的に聴き込んでいるわけではない。

 そのような立ち位置にいる筆者としては、おおむね前述したような、アプリが提供する検索機能、メニュー、カテゴリーを入口にして深掘りしていくことで、このアプリがナビゲートしてくれる新たな作品との出会いを楽しんでいる。Apple Music Classicalの特異な機能ならではの楽しみ方ともいえるのではないか。

 本稿の最後に、豆知識を紹介しておきたい。AirPods、AirPods Pro、AirPods Maxなど、Appleのイヤフォンやヘッドフォンを利用して本アプリを楽しむユーザーであれば「ステレオを空間化」を積極的に利用してはいかがだろうか。

 「ステレオを空間化」はApple独自のバイノーラルレンダリング機能のことで、通常のステレオ作品をアップミックスし、イマーシブオーディオを疑似的に実現してくれる。Dolby Atmos対応のコンテンツであればその必要はないが「ステレオを空間化」で通常のステレオ再生とは違った世界観で作品を楽しむことができる。

photo Apple製イヤフォンを接続してコントロールセンターを開き、ボリュームコントロールを長押しすると「ステレオを空間化」のオン/オフが可能

 古い録音の中には、いわゆる「泣き別れステレオ」(歌唱や楽器が左右に極端に分かれた状態)だったり、位相がズレて定位感が乏しく聴いていて心地悪い作品もあるが、いずれも「ステレオを空間化」でかなり聴きやすくなる。

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