米Googleは2月8日(現地時間)、マルチモーダル生成AIモデル、「Gemini」のスマートフォン向けアプリを発表した。高性能AIモデルがモバイルデバイスに開放された格好。合わせて、常に複雑なタスクに対応する、高性能かつ最大のモデルである「Gemini Ultra 1.0」を搭載した「Gemini Advanced」も発表された。
Ultra 1.0 モデルを搭載したGemini Advancedは、コーディングや論理的推論、ニュアンスを含んだ指示の理解、クリエイティブなプロジェクトでの共同作業など、複雑なタスクの能力が大幅に向上したという。
より長く、より詳細な会話が可能になるだけでなく、以前に質問したコンテキストに基づいた質問への理解能力も向上するという。
Gemini Advancedの活用例は次の通り。
Googleは、Gemini Advancedの継続的なアップデートを明言しており、「新機能を追加する予定」としている。具体的には、拡張されたマルチモーダル機能や、よりインタラクティブなコーディング機能、より深いデータ分析機能などが利用可能になる見込み。
Gemini Advancedは、150以上の国と地域で、英語版として提供される。利用可能な言語は、今後順次拡大予定だ。
Gemini Advancedの登場に伴い、Googleのサブスクリプションサービス「Google One」に、Gemini Advancedを含む「AI Premium」プランが追加された。 最初の2カ月は無料で利用できるが、その後は月額料金(19.99米ドル、税込み2900円)がかかる。
「スマートフォンからもGeminiへ簡単にアクセスしたい」という要望を受け、Googleは同日、Android端末でGeminiアプリを、iOS向けのGoogleアプリで、GeminiとGemini Advancedを利用できるようにした。
外出先でのテキストや画像での質問、会話などが可能になり、パンクしたタイヤを撮影して対処方法を検索したり、パーティーの招待状に使う画像を生成したり、メッセージの返答の作成をサポートしたり……とさまざまな場面でGeminiアプリが役立つという。
Geminiアプリへのアクセスは、起動だけでなくGoogle アシスタントからも可能に。一部のスマートフォンでは、電源ボタンの長押しや画面端のスワイプだけで起動できる。
スマートフォン向けのGeminiアプリは、発表当初は英語版のみの提供となるが、Googleは来週から、日本を含むさまざまな国や地域で、日本語版と韓国語版のAndroid向けGeminiアプリと、Geminiに対応したiOS向けGoogleアプリを提供する。
Googleは、「Bard」の名称変更も発表した。
幅広い知識と大規模言語モデルの能力、知性、創造性を組み合わせることを目指し、Webの情報を活用することで質の高い応答が可能なBardは、Geminiに変更された。
Googleの最も高性能なAIモデルの核となる高度なテクノロジーが反映された製品であることを明確に伝えるためだという。
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