「紹介キャンペーンで楽天モバイルを紹介した人は累計で25万人超」──。楽天グループが2月14日に開催した「2023年度通期・第4四半期決算説明会」で、このように発言したのは楽天モバイル常務執行役員兼CMOの河野奈保氏だ。
紹介キャンペーンとは、楽天モバイルが開催している「楽天モバイル紹介キャンペーン(第3弾)」を指し示しており、楽天モバイルユーザーが家族を紹介すると、紹介した側に7000ポイント入り、紹介された側が初めてMNPで楽天モバイルに乗り換えると、1万3000ポイントを獲得可能。紹介された側が乗り換えずに楽天モバイルに加入しても6000ポイント入る。
河野氏によると、楽天モバイル紹介キャンペーンを利用し、楽天モバイルを紹介した人は、累計で25万人を超えており、その内の49%が家族を紹介しているという。
決算説明会の前日となる13日には、楽天モバイルが「最強家族プログラム」を発表した。同一名字の家族なら「Rakuten最強プラン」が1回線あたり毎月110円引きになるプログラムだ。
楽天モバイルは、「多くの人が要望している家族割引に」(河野氏)に相当するサービスを提供していなかったが、河野氏は「最強家族プログラムの導入により、楽天モバイルへの乗り換えが加速していく」と予想。一方で、最強家族プログラムのみの割引額は110円であることから、解約の完全抑止にはならないと考える。
とはいえ、楽天モバイル紹介キャンペーンや最強家族プログラムは、楽天経済圏に直結していくはずだ。楽天グループは、楽天モバイルを軸に楽天経済圏へと導きたい考えで、生活のさまざまなシーンを楽天グループのサービスの利用に寄せることで、楽天ポイントを効率的にためたり、使ったりできる点を訴求している。
MMD研究所は、一般消費者が最も意識しているポイント経済圏について調査しており、首位となっているのは楽天経済圏(46%)だ。遠い背中を追うようにPayPay経済圏(18%)、ドコモ経済圏(16%)、au経済圏(8%)が続く。
楽天グループが、楽天経済圏でユーザーの生活をさらに循環させるためには、楽天モバイルの楽天モバイル紹介キャンペーンや最強家族プログラムだけでは足りないはずだ。
分かりやすさ重視でワンプランを貫きたいがゆえに、複雑な条件の学生向け割引や金融サービスとのセット割引を提供しない楽天モバイルだが、河野氏は「今後、楽天らしい新たなオプションを打ち出していく」考えを明らかにしており、別の秘策を用意している可能性がある。
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