対話型AI「Microsoft Copilot」はどう使う? マイクロソフト開発者が伝授する“プロンプトのコツ”(2/2 ページ)

» 2024年03月06日 17時00分 公開
[石井徹ITmedia]
前のページへ 1|2       

スマホならではの便利な使い方

 篠塚氏は「インターネットの環境さえあれば、どこでも使えることがMicrosoft Copilot魅力だ」と説明する。Windows PCで提供しているCopilotも、モバイル版のCopilotも共通の仕組みで動作しているため、返答は基本的には共通だという。

 普段持ち歩いているスマホアプリだからこそ、使いやすい状況もあるだろう。Copilotの対話形式は、スマホのメッセージアプリと同じように表示されるため、親しみやすいという点がある。

 スマートフォンだからしやすい活用方法として、「マルチモーダル」な特性を生かしたやりとりがある。マルチモーダルとは、テキストだけでなく、写真や音声といったフォーマットでAIと対話できることだ。例えば、写真を撮ってそれに関する質問をできる。

Microsoft Copilot マイクロソフト ディベロップメントの篠塚祐紀子氏

 篠塚氏の個人的な体験として、音声検索が役立ったシーンもあったと話す。雨の日に傘を片手に持ち、両手でフリック入力できないときに、篠塚氏は音声検索で「晩御飯の総菜が買える店は?」と質問した。Copilotはチャット形式で応答を返してくる。検索で得た情報をタップしなくても回答が得られて便利だったという。

Microsoft直伝、Copilotを使いこなすコツ

 チャットAIからよりよい返答を引き出すためには、適切な“入力”を与える必要がある。つまり、質問内容を工夫すると、よりよい回答が引き出せる。このような質問テクニックは、「プロンプトエンジニアリング」と呼ばれることもある。

Microsoft Copilot プロンプトとは

 具体的には、3つの要素を踏まえるといい。

  1. 目的を説明する
  2. 場面と役割を設定する
  3. 回答の表現や出力方法を伝える

 1の目的を説明する方法、例えばWebサイトの内容を知りたいなら「このWebサイトを要約して」と伝えるのが最もシンプルな伝え方だ。より具体的に、「この資料から、(知りたいテーマ)の利点を3つ列挙して」といったような質問の仕方をするといいだろう。

 また、2の場面と役割の設定は、例えばレシピを知りたいときに、ただ「レシピを教えて」と質問するのではなく、「家にある食材を使った、トマトベースのパスタのレシピを教えて」といったような聞き方をするとよい。

 また、Copilotに役割を与える方法も効果的だ。回答者の状況を想定して「中学2年生の理科の先生になったつもりで回答して」という聞き方ができる。

 3の回答の表現や出力方法については「かしこまった表現で」「カジュアルなトーンで」といったように敬意の込め方や文体を指定できる。また、情報を分析して「表にまとめて」といったように、自然文以外の形式で回答も求めることも可能だ。

Microsoft Copilot プロンプト作成のコツ
Microsoft Copilot より効果的なプロンプトを作成するヒント

 ただし、プロンプトエンジニアリングにこだわって、精緻な質問を組み立てる必要はない。要するに、適切な情報量でチャットAIに意図を伝えられれば、それで十分だ。

 篠塚氏は「日々の悩みやお悩み解決みたいなことを話してみても面白いです。友達に文章を書きたいんだけど、どうしたらいいかな、みたいな簡単なことでもいいんです。ぜひ相談に乗って、自分のより求めているものを一緒にパイロットと対話しながら探していただければ」と語った。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年