ZTEジャパンは2024年3月14日、新機種及び日本展開における事業戦略発表会を開催した。
ZTEジャパンといえば、日本においてはモバイルWi-Fiルーターやキッズ向けケータイ、さらにはエントリーモデルのスマートフォンをキャリアに納入してきたメーカーだ。
SIMフリースマホがブームになったときも、ファーウェイのように目立った動きはあまりしてこなかったが、ここに来て、「nubia」ブランドをひっさげて、折りたたみスマホ「nubia Flip 5G」と「nubia Ivy」を日本に投入すると発表した。
ただ「nubia Flip 5G」に関しては、ワイモバイルが「Libero Flip」として、すでに販売済みだ。新規もしくはMNPによる契約、さらに上位プランの契約によって、端末価格が3万9800円になるということで「格安折りたたみスマホ」として、話題にもなった。
ZTEジャパンとしては、これからnubiaブランドを訴求していくと意気込んでいたが、それであれば、なぜワイモバイル向けの折りたたみスマホを「nubia」にできなかったのか。
ワイモバイルで「nubia」として取り扱ってもらえば、全国で2000店舗を超えるワイモバイルショップの店頭に「nubia」ブランドをアピールできる。カタログやウェブサイトにも「nubia」が載るし、ひょっとしたらTV CMや広告などでnubiaが露出されることになる。
今後、ZTEが世界的に新製品発表会を行っていけば、nubiaブランドが様々な媒体に掲載されるだろうし、ワイモバイルもしくはソフトバンクとしても、グローバルブランドを扱っているアピールにもつながるのではないか。
しかし、ソフトバンクとしては、現状の「nubia」には魅力は感じず、これまで展開してきた「Libero」のほうがメリットが大きいと判断したのだろう。
ただ、ここからは憶測となるが、MVNOや家電量販店が扱うブランドと全く同じ製品をキャリアが扱うとなると、2年後の下取り価格を自由に設定しづらいという裏事情があるのかも知れない。
あくまで別ブランドとして「キャリア独自商品」という位置づけであれば、キャリアの意向で予想買取価格を設定できるし、それによって、割賦の販売価格も決めることができる。
3キャリアが共通でメーカーから納入していたり、SIMフリー市場で流通しているスマホは、まさに市場が価値を決めてしまうが、キャリアが独占的に扱う商品であれば、キャリアがある程度、買取価格をコントロールする事も不可能ではない。
メーカーとしては、キャリアへの納入が最優先となるだけに、ZTEのような立場とすれば、ソフトバンクに自社のブランドをつけたいなんてワガママを言うなんて、恐れ多くてできないのかも知れない。
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