―― 2機種ともWi-Fiモデルですが、セルラー対応についてはどうお考えでしょうか。
中津留氏 どこかのタイミングではあるのかもしれませんが、今のところ、ニーズが読めていません。今回のモデルは、かなり特徴があるとがったタブレットだったので、いったんはWi-Fiから入りました。
―― 対応すると相応のコストアップにはなると思いますが、どちらかと言うとニーズの問題でしょうか。
中津留氏 まずはニーズの問題という認識です。欲しいというお客さまはいるとは思いますが、Wi-Fiモデルで十分という方が多いのも実態です。
―― レノボとはすみ分けをしているのでしょうか。
中津留氏 共同開発しているのでかぶる部分は多少ありますが、NECPCの方がフルラインアップになっています。レノボは一部、Yogaシリーズのようなとがったものを入れていますが、比較的安めのものが多く、スペック的に差別化してブランドの立ち位置を変えています。
―― レノボのブランドではキャリアモデルも出し、セルラー対応しています。ああいった形の端末をNECPCブランドで展開する可能性はありますか。
中津留氏 今の時点では残念ながら具体的な話はなく、Wi-Fiにフォーカスしています。やはり、先ほどお話ししたように、今見えている範囲だとWi-Fiモデルの方は需要が大きい。NECPCでもドコモさんと一緒に販売はしましたが、あれもWi-Fiモデルです。
―― XiaomiやOPPOといった中国メーカーが続々とタブレットを投入し始め、競合が増えています。こういった市場環境については、どうお考えでしょうか。
中津留氏 そういったメーカーの商品は、価格帯としてボリュームゾーンのものが多いと思いますし、弊社でもそこと比べていただけるような商品は今後も出していきたいと考えています。今回はプレミアムですが、NECPCとして訴求できる商品は出していきますし、そこを無視しているわけではありません。
タブレット市場を見ると、確かにAndroidはミドルレンジモデルが増えている一方で、LAVIE Tab T14/T9のようなハイエンドモデルの数はまだまだ少ない。NECPCとしては、ここにチャンスがあると見たようだ。ゲームを除くコンテンツを消費するだけであればミドルレンジモデルでも十分だが、イラストや動画といったコンテンツ制作にはどうしてもスペックが必要になる。
一方で、特にコンパクトなT9に関しては、ゲームがユースケースに挙げられていたように、やはりセルラー対応モデルも選択肢にあった方がいいような気はした。テザリングすれば回線はまかなえるものの、単体で通信できれば利用シーンが広がるからだ。価格とどう折り合いをつけるのかが課題になりそうだが、今後の展開にも期待したい。
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