「ブライトフレーム」は、Leitz Looksと並んで、Leitz Phoneの代表的な機能だ。実際に写真として収める画角よりも広い範囲をプレビュー表示する。これは、オートモードで利用できる。
ブライトフレームをオンにしてスナップ撮影すると、被写体と背景の関係性や、画面内の余白の使い方などを意識しながら撮影できる。構図を意識的に考える習慣をつけられるだろう。
マニュアル撮影モードには、「ライカ・パースペクティブ・コントロール」という新機能が追加された。
これは、建築写真のパースゆがみを補正する機能だ。建物の形状を認識してプレビュー画面に白枠を表示し、撮影後のJPEG画像ではその部分のみを表示するようになっている。ただし、発売前の試作機を実際に使ってみた印象として、建物を形状を正しく認識するのが難しく、調整の余地があるように感じた。今後の改善に期待したい。
ウオーターマーク機能が強化され、Leitz Phone 3の写真にはレンズ名、F値、シャッタースピードの情報が記載されるようになった。ここ記載されるレンズ名は、ハードウェアとしてのレンズ名、つまり「SUMMICRON 1:1.9/19 ASPH.」が記述される。当然F値も固定でF1.9となる。
ちなみに、Leitz Looksでバーチャルレンズを使って撮影したときのレンズ名や、フィルター、仮想F値はこのウオーターマークには反映されない。現状でLeitz Lookで撮影した後に、どのようなレンズ設定を使用したかは実際の写りから推測するしかない。ウオーターマークでもメタデータでもいいが、確認する手段が欲しいところだ。
前作から引き続き、独自のウィジェットを2つ搭載している。
1つは、「LFI Widget」だ。これはLeicaの写真投稿サイトに掲載された作品を配信するウィジェットだ。これはLeitz Phoneならではの雰囲気を引き立たせる上で重要な役割を果たしている。
2つ目は、「Golden Hour Widget」だ。これは朝焼け・夕焼けの時間をグラフィカルに表示するウィジェットだ。写真撮影に最適な時刻を知らせるだけでなく、その時間に空を眺めてみようという気分にさせる
これら2つのウィジェットは機能的には豪華なものではないが、写真撮影の体験を重視するLeicaの世界観をよく反映したものになっている。
UI(ユーザーインタフェース)上の工夫としては、カメラアプリを中心に、細かな点でカスタマイズが加えられている。ロック画面では、右下に鎮座するカメラアプリの赤いアイコンが目を引く。シャッター音は「チキッ」というおとなしい音になっている。
AQUOS R8 proと同様に、カメラ以外のパフォーマンスも高く、最上位のフラグシップといえる。
ディスプレイは約6.6型でPro IGZO OLEDを搭載。ピーク輝度は2000ニトと非常に高く、屋内照明の環境にあわせて画面の色合いを最適化する機能を備えている。
プロセッサは2022年発表のハイエンド製品「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載する。メインメモリは12GB、ストレージは512GBとなっている。5Gはミリ波をサポートしており、ソフトバンク以外の国内キャリアの主要周波数帯もサポートしている。
特徴的な機能としては、3D超音波に対応した指紋認証センサーがある。Qualcommの技術を採用しており、認識範囲が広く、認証速度もトップクラスといえるほど高速だ。
総合的にみて日常的な使い勝手については申し分ないレベルだ。なお、OSバージョンアップの提供期間は発売から4年間をうたっている。
1型センサー採用のスマホとして3世代目を迎えたAQUOS R8 proに、Leicaの感性を取り入れた「Leitz Phone 3」。Leica Q3をほうふつとさせる品のあるレザー調の質感になり、Leitz Looksは写真撮影をより楽しく、よりクリエイティブなものにしてくれる。単に美しい写真を撮影できるスマートフォンというだけでなく、ユーザーを写真撮影へと駆り立てる魅力を持っている。
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